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ズバリ、『静電気』が主な原因です。物体を構成する原子は通常では原子核に常に+の電荷(電気量)である陽子と、原子核の周りを周る-の電荷を持つ電子を同量持っていて平衡状態にあります。しかし物と物が触れ合ったり擦れあったり、強い力が加わったりするときに物体から別の物体へ、電子が移動してしまいます。電子が流出してしまった物体は陽子量が電子量より多くなるので電荷がプラスに傾き(正電荷)、電子が流入した物体は電子が過多になるので-に傾く(負電荷)ことになります。この状態を「帯電」と言い、その発生した電気が静電気です。
物体にはそれぞれ+に帯電しやすい材質と-に帯電しやすい材質とがあり、その帯電の傾向を+から-に並べたものを帯電列といいます。+帯電が高い材質と-帯電が高い材質がこすれあうときに、より帯電しやすく(電荷量が大きく)なります。
空気(大気)がもっとも+帯電しやすく、人間の皮膚や動物の毛皮、ウール、ナイロンなども+帯電をしやすい材質です。逆に、小中学校の静電気の実験で使用されたエボナイト棒のエボナイトはもっとも-帯電しやすく、テフロンやビニール、ポリエチレン、アクリル繊維などが-帯電しやすい材質です。
そして、ほとんど帯電しない材質としては木綿や麻、木材があげられます。
静電気が発生しない物体はありませんが、構造によってプラスかマイナスに帯電し、その強弱も異なります。+帯電した物体と-帯電した物体は引き合います。過剰な電子を放出したい-荷電の物体と、不足した電子を補いたい+荷電の物体が近づくと、一気に電子の移動現象が起こり、帯電がリセットされます。このリセット現象の瞬間放出される電気でバチバチとなるのですね。
人間の皮膚や髪の毛は+帯電しやすいため、近い帯電列のウールやレーヨン、ナイロン、絹素材の衣服とでは帯電しにくく(静電気が発生しにくく)、逆に-帯電しやすいポリエステル、アクリル、アセテートなどは単独の着用でも帯電しやすい素材です。これは重ね着した衣服同士の組み合わせでも同様で、ウールとポリエステル、ナイロンとアクリルなどは帯電が大きくなります。たとえばウールのセーターにポリエステル素材のフリースやレーヨン、ポリウレタンを含む合皮にナイロン素材のストッキングやタイツなどは、帯電列が離れた材質同士なので静電気が発生しやすくなってしまいます。+帯電の衣服と-帯電の衣服を重ね着することが多く、空気が乾燥している冬に、バチッ!となりやすいのはこのためです。
一方、木綿や麻はどの素材と組み合わせても帯電しにくく、吸湿性にも優れているために、乾燥すると発生しやすくなる静電気がより発生しにくくなります。
麻、綿を上記素材の間に挟むことで、静電気を軽減させることができそうです。組み合わせる素材や着用の順番の工夫で、あの嫌なパチパチを抑えられるかもしれません。ぜひお持ちの洋服の素材を確認して、試してみてくださいね。
参考:長岡産業:静電気について
寒い時期には濃色の衣類を身につける機会が増えますよね。実際に着用しようと取り出した時や、ふとした時に『埃がたくさん付いている』という経験、意外にも多いのではないでしょうか?お出かけ前の慌ただしい時間だと、ブラシをかけたり、粘着素材で取り除く作業はとてもイライラしてしまったり。このイライラを回避する方法がいくつかありますのでご紹介しておきます。ぜひ試してみてください。
<洗濯で回避>
洗濯機で洗う際には、衣類を裏返しにしてから洗うと表面にホコリが付着するのを防ぐことができます。また洗濯ネットを活用することも、衣類を痛めずに洗うこともできますし、一石二鳥です。柔軟剤を利用するのもおすすめです。衣類が擦れて静電気が起きるのを軽減してくれますし、そのような効果を持つ柔軟剤が多く販売されていますので、確認してみましょう。また、部屋干しもひとつの手です。この時期は空気中に多くのホコリが浮遊しているので、洗濯物に付着するのを防ぐことができます。
<静電気防止スプレーを利用する>
市販されている、衣類用の『静電気防止剤』を利用してみましょう。多くはスプレータイプで、手軽に使うことができます。静電気を抑えることで、衣類のまとわりつきを防いでくれますし、花粉やホコリも付着しにくくなります。また、衣類を着用したまま使えるものも多くありますので、手軽に防止することができます。
<防水スプレーを利用する>
驚かれる方もいるかもしれませんが、多くの防水スプレーは布製品や革製品など、冬によく使う素材にも適応している場合がほとんどです。雨や雪などの水分を弾くだけでなく、表面がコーティングされるので、ホコリの付着もかなり軽減しますし、付着しても軽く払うだけで除くことができます。靴や鞄などの汚れ防止としても使うことができることを知っている方、取り入れている方も多いかもしれませんね。使用前にはしっかりとブラシなどをかけて、きれいな状態にしておきましょう。
ご紹介した方法が、ご自身の衣類や製品に使えるのかどうか、使用方法や表示をよく確認し、目立たない場所で試してみてから行なってくださいね。