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湿度が高い日は、湿度が低い日よりも暑く感じやすい傾向にあります。たとえば気温25℃の場合、湿度が30%なら心地よさを感じますが、湿度が85%を超えると蒸し暑さを感じるようになります。人は、摂取した食べ物を栄養素に分解したり、生きるためのエネルギーに代謝するため、常に体内で化学反応を起こしています。その際、ほかの物質との仲立ちを行うのが呼吸によって取り込まれる酸素です。酸素は37℃前後で最も活性が大きくなるため、人の体温は外気にかかわらず、常に37℃前後に保たれる仕組みになっています。外気温が高い場合は、体温の上がりすぎを防ぐために発汗し、汗と一緒に熱を外に逃がそうとします。
ところが、湿度が高い状態だと汗が蒸発せず、体温がうまく調節できなくなります。その結果、熱が体内にたまり、湿度が低いときよりも蒸し暑さを感じやすくなるわけです。
なお、体内に熱が溜まりすぎると熱中症になる可能性が高く、めまいやけいれん、頭痛などの症状を感じる場合があります。熱中症は最悪の場合、命を脅かす危険もありますので、ただ不快感を抑えるだけでなく、命を守るためにも湿度に合わせた服装選びを行う必要があります。
1日通して快適に過ごすためには、湿度に合わせて服のコーディネートを考えることが大切です。不快感がなければ気温に合わせて服装を選んでもかまいません。しかし、蒸し暑く感じる日は、たとえ気温が低くても体の熱を逃がしやすい服を選ぶようにしましょう。日本気象協会が運営するお天気サイト「tenki.jp」では、毎日の服装指数を発信しています。服装を選ぶ前に1度チェックされることをおすすめします。
ここでは蒸し暑い日の服選びのポイントを3つご紹介します。
■1. 通気性・吸湿性の高い服を選ぶ
じめじめと蒸し暑い日は、体に熱がこもらないように、なるべく通気性・吸湿性の高い素材を使った服を選ぶのがポイントです。代表的な素材は亜麻から作られたリネン素材で、汗をかいてもベタつかず、さらっと着こなすことができます。汗そのものも吸い取ってくれるため、体に熱が溜まりやすい多湿の日にはうってつけの素材といえるでしょう。ほかにも、着心地が軽くて吸湿性のよいコットンや、涼感・吸水性に優れたレーヨンを使った服を選ぶと、蒸し暑く感じる日でもストレスなく過ごすことができます。
■2. ゆったりしたシルエットの服を選ぶ
湿度が高い日は服の生地が肌に貼り付きやすく、ベタベタとした不快感が強くなります。肌と服の間にすき間がなくなると通気性も悪くなり、蒸し暑さを助長させる原因になりますので、体にぴったりフィットするような服よりも、ゆったりとしたシルエットの服を選ぶようにしましょう。裾や袖がふんわり広がるワンピースやフレアースカート、パフスリーブのチュニック、透かし編みのゆるニットパンツなどを組み合わせれば、体の蒸れ対策につながります。
■3. 黒い服は避ける
黒い服は太陽の光を吸収しやすい傾向にあります。熱くなるのは服の外側だけですので、ゆるいシルエットの服なら大きな影響はありませんが、肌に触れる面積が大きい服だと体温を上昇させる原因になります。とくに湿気の多い日は実際の気温よりも暑く感じがちです。黒い服の着用はなるべく避けたほうがよいでしょう。
湿度が高い日は蒸し暑さを感じがちなので、気温よりも湿度に合わせて服装を選ぶことが大切です。テレビなどで放映される一般的な天気予報では、気温や降水確率しか発表されませんので、湿度が高くなりやすい時期は湿度をチェックしてから服のコーディネートを決めましょう。
日本気象協会が運営するお天気サイト「tenki.jp」では、その日ごとに適した服装を提案する「服装指数」を公表しています。朝・昼・夜の時間帯別におすすめの服装を掲載していますので、湿度に合わせた快適な服装が知りたいときはぜひ参考にしてください。