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今日は「雨」と「梅雨」についての豆知識をいくつかご紹介します。知っているようで知らない雨の知識に触れることで、雨について誰かに話してみたくなるかもしれません。
「1時間に25mmの強い雨」や「猛烈な雨にご注意ください」という言葉をよく耳にしますが、なんとなく強雨の強さをイメージできても、具体的に「1時間に25mmの強い雨」が何に対して25mmなのか、今さら誰にも聞けないという人もいるかと思います。
1時間に25mmの強い雨というのは、例えば空の水槽を屋外に出しっぱなしにしていたら、1時間で25mmの高さまで水が貯まる雨ということになります。実際には水槽で測るのではなく、アメダス(自動気象データ収集システム)に設置された雨量計と呼ばれる機器を使い、そこに流れ込んだ雨量を観測データとして計測します。
最近ではレーダー雨量計も使われており、電波を使って広域のリアルタイム雨量を観測しています。このレーダー雨量計とアメダスでの観測データを組み合わせて解析を行うことで、アメダスが設置されていないエリアの降水量もわかる仕組みになっています。
【参考】
気象庁|解析雨量
降水確率も私たちがよく耳にする言葉でありながら、詳しくは知らない言葉のひとつですよね。降水確率が50%だと「降るの?降らないの?」となってしまいますが、降水確率の定義を知っていれば、そのような疑問もなくなります。
降水確率の定義は少し複雑ですので、わかりやすく解説します。
・予報する地域で降水量1mm以上の雨または雪の降る確率の平均値
ポイントは1mm以上の雨が降るということで、1mm未満の雨は対象外です。ということは、降水確率0%でも雨が降る可能性があるということになります。
また降水確率が40%というのは、40%の予報が100回あったとして、そのうちおよそ40回は1mm以上の雨が降るという意味になります。雨の強さや降水時間と勘違いしている人もいますが、降水確率と降水量は基本的に関係ありません。
降水確率0%でも本降りになることもあり、降水確率100%でもあまり気にならない程度の雨しか降らないということもあります。雨の強さや長さは関係なく、降るか降らないかの指標であるということを覚えておきましょう。
夏になると降水確率が低くても局地的な豪雨になることもあるので、これからのシーズンは折りたたみ傘を常備しておきたいところです。
【参考】
気象庁|予報の名称
平年ですと、本州では7月の中旬から下旬頃に各地で梅雨明けを迎えますが、その頃を過ぎてもなかなか梅雨が明けないと、「なぜまだ梅雨明けにならないの?」と疑問に感じたことがあるかもしれません。
例えば、梅雨の期間中の雨の主な原因はほとんどが梅雨前線ではありますが、実は梅雨前線がなくても雨の日が続くと梅雨明けにはなりません。気象庁は「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が現れる現象、またはその期間」を梅雨の定義にしており、梅雨前線が日本付近から姿を消しても、晴れの日が続かないと梅雨明けにはなりません。
また、1993年のように、一部の地域を除いて全国的に梅雨明けしないような年もあります。この年は冷夏で、一度は各地で梅雨明けの発表をしたものの、8月になっても前線や台風などの影響で雨が降り続き、あとから梅雨明けが撤回されています。
なお、梅雨明けをした段階での発表は「速報値」で、後から振り返って「確定値」を発表するため、最初に発表した期日が変更になることもあります。ということは、梅雨明けが発表されていなくても、実はすでに梅雨が明けていたということもあります。
「まだ梅雨明けしていないから」と油断していたら、気温や室温がぐんぐん上がって、熱中症になってしまうということもあります。梅雨明けしていなくても暑さを感じた日には、こまめに水分補給を心がけ、エアコンを使うなどして熱中症対策をしっかりと行いましょう。
【参考】
Yahoo!ニュース
気象庁|令和2年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)
梅雨入りと梅雨明け 2020(速報値)