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「うどん【饂飩】麺類の一種。小麦粉を塩水でこねて薄く伸ばし、細く切ったもの。」<広辞苑>
その歴史は古く、奈良時代に中国から伝来したという説や、平安時代に空海が伝えたという説、鎌倉時代に中国から製粉の技術を持ち帰ったとされる説など様々です。しかしいずれにしても、現在食べているような「うどん」は江戸時代のはじめ頃には全国的に食べられていたようです。
うどんにまつわる言葉、パッと思いつくものはいくつありますか?例えば、当たり前に見聞きしている「讃岐うどん」も実は、『広辞苑』に2018年に新しく追加された言葉のひとつです。『香川県特産のうどん。麺はこしが強く、太め<広辞苑・抜粋>』と記載されています。
他にも少しご紹介します。
☆うどんこ
小麦粉の別称。
☆うどんこ病
植物の病害。作物や樹木の茎や葉、果実などが粉を散らしたように白くなる。
☆うどん食らい
仕事の下手な人を罵る言葉。
☆夜鳴きうどん
決まったレシピがあるわけではなく、寒い時期にうどんを食べて体を温める食文化を指します。また「夜鳴き」は江戸以降の屋台のうどん屋が鳴らしている笛のことで、鳴き声のように聞こえることからこう呼ばれているそうです。
☆日本三大うどんとは
正式に定義や規定などを定めた機関がないので、きちんと決められているものではありませんが、歴史や製法などの違いから「讃岐うどん」(香川県)、「稲庭うどん」(秋田県)、「五島うどん」(長崎県)、「水沢うどん」(群馬県)、「氷見うどん」(富山県)、「きしめん」(愛知県)の6種類が代表的なうどんとして挙げられ、日本三大うどんに数えられることが多いようです。
☆うどんの薬味
江戸時代中頃までは、コショウが主な薬味でした。その後、唐辛子栽培が広まって現在に至っています。
☆東と西、だしとつゆ
昔は『うどんは関西、蕎麦は関東』と言われることも多かったようですが、現在では人の流れと同様に食も様々に広がっています。関東では「つゆ」と言って、主に鰹節で出汁をとり、濃口醤油や塩で味付けしたものを指します。一方、関西では「だし」と言って、主に昆布で出汁をとり、薄口醤油や塩で味付けしたものを指します。
☆少しややこしい、きつねとたぬき
上の「だし」と「つゆ」のように東西や地域で違いがあるものとして「きつね」と「たぬき」があります。一般的に「きつね」は油揚げを薄甘く煮たものを指します。おいなりさんという食べ物がありますが、稲作・農業の神様であるお稲荷様とその使者である狐の好物である油揚げを合わせたとの由来もあるようです。うどんに、この煮た油揚げが種として入っているものを「きつね、きつねうどん」と呼ぶのは東も西も変わりません。しかし大阪では「きつね」の種が入った蕎麦のことを「たぬき」と呼びます。また京都では「きつね」の入ったあんかけを「たぬき」と呼びます。東京では「たぬき」は揚げ玉が入った蕎麦のことを指します。
☆うどんつゆ<関東風>およそ3人前
1. 出汁の材料を準備します。水1Lと、鰹節・煮干し・昆布をお好みに組み合わせておよそ40gとなるようにします。
※鰹節はすっきりと香りが良く、煮干しは特有の風味と濃い旨みがあり、昆布はまろやかさと甘みがあります。
2. 出汁で昆布を使う際には30分ほど水につけておきます。
3. 水を沸かします。昆布がある場合には沸騰直前で取り出しましょう。沸いたら出汁の材料を加えます。薄削りの場合は5分程度、厚削りの場合は10分ほど煮出します。
4. 醤油大さじ2と小さじ1、みりん大さじ1と1/2、砂糖大さじ1/2、塩小さじ1/2を加えて味を整えます。ひと煮立ちしたら出来上がり♪
☆うどんだし<関西風>およそ3人前
1. 出汁用の昆布15gを固く絞った布巾などで拭いて、表面の汚れなどを落とします。
2. 水1Lを鍋に入れ、昆布を入れて30分ほど置いておきます。
3. 鍋を中火にかけて沸騰する直前で昆布を取り出します。
4. 再び火にかけ、薄口醤油大さじ3、酒大さじ3、みりん大さじ6、塩ふたつまみを加えて味を整えます。ひと煮立ちしたら出来上がり♪
引用、参考
広辞苑 第七版/岩波書店
ヤマキ株式会社
株式会社キンレイ 冷凍めんコラム