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ゲリラ豪雨という言葉は、一般に「局地的大雨」と呼ばれ、ごく狭い範囲で短時間に非常に強い雨が降ることを指します。例えば、2008年7月に神戸市の都賀川で水難事故をもたらした雨が典型的な「ゲリラ豪雨」です。
ゲリラ豪雨とは、強い雨だけでなく、雷が鳴ったりひょうが降ったり、場合によっては竜巻まで発生することもある非常に危険な自然現象です。ゲリラ豪雨は、夏の空によく見られるもくもくと発達した雲、すなわち「積乱雲」が原因で発生します。
実は積乱雲にも色々な種類があり、特に大きな被害をもたらす積乱雲は、「スーパーセル型積乱雲」や「マルチセル型積乱雲」と呼ばれる特殊な積乱雲です。通常、単体の積乱雲は30分から1時間位で消滅してしまいます。
しかし、「スーパーセル型積乱雲」は上昇気流が起こる場所と下降気流が起こる場所が分離し、単体の積乱雲でも寿命が長くなります。また、「マルチセル型積乱雲」は次々と新たな積乱雲が発生し、複数の積乱雲が列になって、積乱雲の移動方向の後方に新たに積乱雲が生まれるため同じ場所で猛烈な雨が継続し、ゲリラ豪雨になります。
ゲリラ豪雨の発生に備えるには、「大気の不安定性」がキーワードです。
よく天気予報で「大気の状態が不安定」と聞いたことはありませんか?「大気の状態が不安定」とは、上空に冷たい空気があり、地上には暖かい空気がある状態をいいます。暖かい空気は軽いため上昇し、冷たい空気は重いため下降することから対流が起きやすく不安定になるのです。そして空気の対流が起こると雲が発達し、さらに地上付近の空気が湿っていると、積乱雲が発達しやすくなります。つまり、「大気の状態が不安定」だと積乱雲が発達しやすく、ゲリラ豪雨の可能性も高くなります。
tenki.jpの人気コンテンツ『日直予報士』では、気象予報士が毎日の天気を解説していますので、「大気の状態が不安定」というキーワードにご注目ください。
ゲリラ豪雨発生の可能性が分かっていたとしても、発生時間や発生場所を詳細に予測するのは、現在の予報技術ではまだまだ難しいのが現状です。
もしゲリラ豪雨に遭遇した場合、どのような行動をすればよいでしょうか?
屋外にいる場合は、地下室など水が溜まりやすい場所を避けて、建物の中に避難するのが一番です。また、車を運転している場合は徐行運転する等、無理のない安全運転を心がけましょう。アンダーパスなどに雨水が溜まっている場合がありますので、アンダーパスは通行せず迂回するなどの安全を優先した行動を取ってほしいです。また、河川の近くでは、その場所で降っていなくても、上流でゲリラ豪雨が発生している場合、瞬く間に河川の水位が上がる可能性があります。近くに暗い灰色やどす黒い雲がある場合は、近くでゲリラ豪雨が発生している可能性がありますので、河川から離れるようにしましょう。そして、安全な場所で雨雲の動きをアプリで確認しながらゲリラ豪雨が通過するのを待つだけでも安全に過ごすことができるでしょう。