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今回は、そんなアセロラの歴史や栄養についてご紹介します。
アセロラといえば、「レモン〇個分の」「レモンの△倍の」なんてよく言われるほど、ビタミンCがたっぷり含まれている果物です。アセロラには甘味種と酸味種があり、種類によって含まれているビタミンCの量が違います。その2つの中でも、酸味種に含まれているビタミンCの量は100gあたり1000~2000mgと、果物の中でもトップクラスの量です。しかもこのアセロラ、実だけではなく若葉にもたくさんのビタミンCが含まれているとのこと。海外では、アセロラの若葉を乾燥させて煎じたものを飲むこともあるそうです。
アセロラに多く含まれているビタミンCは、免疫力を高める働きをしてくれます。そのため、風邪を予防したり、疲労回復の効果が期待され、体調を崩しやすい季節の変わり目なんかにはピッタリの果物なんです。急に気温が上がり始めるこの季節は、冷たいアセロラジュースで体調を整えたいですね。
アセロラの果実はとても傷みやすく、輸送中に傷んでしまうため、生の果実をそのまま食べるのはとても難しいそうです。「アセロラの実を食べてみたい~!」なんて方は、インターネットなどで販売されている冷凍果実を試してみてはいかがでしょうか。
アセロラは、西インド諸島が原産地とされています。原産地の先住民たちは、栄養たっぷりのアセロラを「神の食べ物」と讃えて、薬代わりとしても食していたそうです。
そしてアセロラが世界に広まり始めたのが15世紀の大航海時代。長い旅路を経てアメリカ大陸にたどり着いたスペイン人たちの間で、ビタミン不足による病気が流行してしまいます。その状況を救うことになったのが、アセロラでした。アセロラを食べたスペイン人たちはどんどん回復に向かい、「これはすごい食物だ!ぜひ国に持ち帰ろう!」と考えたスペイン人によって、スペインをはじめとしたヨーロッパにアセロラが伝えられました。このことがきっかけとなって、アセロラは世界に広まることとなったのです。
日本にアセロラが伝わったのは、昭和30年代のこと。「熱帯果樹の父」と呼ばれるヘンリー仲宗根氏の依頼によって、ハワイから7本のアセロラの原木が沖縄の本部町にやってきました。ただ、当初はなかなかアセロラが沖縄の土地になじまず、栽培は難航していたようです。
そんな中しばらくの年月が経ち、アセロラに含まれるたっぷりのビタミンCに注目した人物がいました。それが、本部町出身の並里康文氏です。当時アメリカでは空前のビタミンCブーム。「これは日本でも流行るぞ!」と考えた康文氏は、アセロラを本部町の基幹産業にしたいと考えました。そんな康文氏の強い熱意がはじまりとなって、沖縄にアセロラ栽培が定着することとなったのです。
康文氏が立ち上げた熱帯果樹研究会は、現在のアセローラフレッシュのもととなっています。本部町にあるアセローラフレッシュでは、第六回ニッポン全国おやつランキング一位に輝いた、アセローラフローズンを楽しめます。沖縄に旅行の際には、ぜひ口にしてみたいですね。
<参考・参照>
五明 紀春(監修), 古川 知子(2005)『食材健康大事典―502品目1590種まいにちを楽しむ』 時事通信出版局.
牧野 直子(監修), 松本 麻希(2016)『世界一やさしい! 栄養素図鑑』 新星出版社.
アセローラフレッシュ
ニチレイ、アセロラ百科事典