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清明とは草、木、花すべて清らかな風にゆらぎ清新の気がみなぎっている様子をいいます。
日の出も6時ごろ(東京)となり、朝から虫、鳥、動物の動きも活発ですね。これは人間界にも通じることで、入園、入学、入社、転勤、新しい世界でのスタートも、自然界の活動となんだか同調しています。
そんな春の鼓動を感じるもの、もう発見されましたか?
道端で小さな花をさかせる雑草たちの中で、星(スター)に由来して、学名がステラリアと呼ばれるものが。これはハコベ(はこべら)です。小さな白い花をたくさん咲かせるのを星屑にみたてて名付けられました。豪華でカラフルな花がたくさんある中で、野に咲くこの小さな花に「スター」と名付ける古人のセンス、素敵ですね!
10枚に見える花びらは、実は根本は5枚で、先端がウサギの耳のように2枚に分かれています。発見したらよくみてみてください。花が咲く前のやわらかな葉っぱは、そうです。春の七草に歌われる「せりなづな、ごぎょう はこべら ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」のはこべらは、ハコベのことで、薬効もあるため、昔はハコベの粉末に塩を混ぜ歯磨きとしたそうです。
春の日差しを感じて、カエルやトカゲも活動をはじめ繁殖期を迎えます。雑草の茂みからひょっこり顔をだして、日差しの当たるコンクリート側で、日向ぼっこしているトカゲをみかけたりしませんか?充電中でしょうか?慌てない慌てない一休み一休みという感じでしょうか?
黒い体に5本の縦縞があり、しっぽが綺麗なコバルトブルーのトカゲをよく見かけるのはニホントカゲの幼体です。駐輪所や駐車場でもみかけることも。ニホントカゲは子供の頃の体色はわかりやすいのですが、大人になると銅色になり、カナヘビとよく間違えられます。
見れば違いは一目瞭然ですが、一応いくつか見分けるポイントがあるので参考にどうぞ。
①全身に光沢がある
○→ニホントカゲ
×→カナヘビ
②尻尾が短い
○→ニホントカゲ
×→カナヘビ(尻尾が全体の2/3)
③首と胴の間がくびれていない
○→ニホントカゲ
×→カナヘビ(くびれがある)
春になり、空、野、山谷(さんや)など遠くのものがかすんで見え、横に筋(すじ)を引いたようにたなびく霞が生じます。薄い層雲、もや、煙霧(えんむ)を通して見た場合は、春霞(はるがすみ)と呼び、春は霞(かすみ)、秋は霧(きり)といって、その感じを区別しています。
夜になると霞(かすみ)は朧(おぼろ)といわれ、あたたかくふわっとした幻想的な月がみられます。朧月夜はほかの季節で見られることもありますが、季語は春です。
有名な歌に『おぼろ月夜』がありますね。
菜の花畠に 入り日薄れ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよ吹く 空をみれば
夕月かかりて におい淡し
(「朧月夜」詞:高野辰之、曲:岡野貞一、大正3年)
「センス・オブ・ワンダー」とは、大地、空、海、そこに住む驚きに満ちた生命の輝きのもとに身をおくすべての人が手に入れられる自然にふれるという終わりのない喜びです。海洋科学者でもあり、『沈黙の春』で著名なレイチェルカーソンが、子どもたちや次世代に贈る大切なものとしてしるしました。
忙しい毎日を過ごす私たちも、自然界の春の活動や成長を発見し、美しいもの、未知なもの、神秘的なものを、思い出して感じてみませんか?シェアしてみませんか?子どもたちに伝えてみませんか?
すでにたくさんの春を見つけられた方もいらっしゃることと思います。春のエネルギーに対する研ぎ澄まされ開かれた感覚が、皆様のより創造的な毎日や未来のビジョンに、活きてきますように!