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たけのこ狩りといえば、普通は直径10cm以上の孟宗竹の子どもを思い浮かべます。たけのこ狩りというようりも、たけのこ掘りといったほうがいいかもしれません。青々とした竹林の地面からニョキニョキ生えていて、地面を深く掘って収穫します。
たけのこは地下茎でつながっていて、地下から5cmほど顔を出しているものが、柔らかくて、ちょうどよい歯ごたえです。が、この時期を逃すと、急に成長して立派な竹になってしまい、放っておくと竹が込み合って荒れてしまいます。
普通の人から見れば、竹林を所有している人はたけのこが採り放題でいいなあ~と思いがちですが、たけのこは見つけしだい掘ってしまわないと、すぐに成長して大変なことになってしまうので、知り合いに「たけのこをどんどん採っていって~」と頼む持ち主もいるそうです。
北海道や東北でたけのこ狩りといえば、千島笹のたけのこを狩ることを指します。雪の重みなどで根が曲がっているので、根曲がり竹と呼ばれますが、地方によっては姫竹や笹竹とも呼ばれています。
呼び名に「竹」がついているので竹の子どもだと思われがちですが、千島笹という笹の新芽です。高さは3mになるものもありますが、孟宗竹のように太い竹にはなりません。
根曲がり竹の収穫は、「掘る」というよりは「抜く」といった感じ。直径は2cmほどで、穂先のほうを引っ張るとスポッと音がして、簡単に採ることができます。旬は5~7月。新鮮なものはアク抜きをしなくても食べられるので、手間がかかりません。
根曲がり竹はアク抜きの必要がありません。茹でるだけですぐに食べることができるので、他の山菜に比べると下処理の手間がかかりません。
たくさん収穫できたら、水煮にしたものをビン詰めにして真空保存する人が多いようです。保存の方法もそれほど難しくありません。まず、10分ほど茹でて皮をむき、水につけておきます。フタつきの清潔なビンを用意し、そこに茹でた根曲がり竹をギュウギュウに詰めて水を満タンに入れ、フタをします。鍋でビンごと30分以上煮て、さらにビンのフタをギュッと閉めれば完成。上手に真空にできれば1年は保存できるようです。
七夕になると、短冊に願いごとを書いて、笹にぶら下げるのが一般的。でも、北海道には竹林がないので、短冊を下げるような笹もありません。そこで、一部の地域ではなんと、柳の枝に短冊を下げて七夕を楽しみます。道民の中にはそれが当たり前と信じている人も少なくありません。童謡では「笹の葉さ~らさら~」と歌われているのに、柳の木に短冊を下げるのに何の疑問も持たない道民が多いようです。
旬のたけのこは茹でても少しエグみが残っていますが、それが春の味。水煮で出回っているものとは味がまったく違います。これからが、たけのこのシーズン本番。孟宗竹のたけのこはアク抜きの手間がありますが、旬ならではの味を思う存分味わっておきたいですね。