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ああ、締め切り日が近づいている…、一度頭の中を整理してから膨大な資料に向き合いたい…。でも、暑いし湿度も高いし、あれもこれも気になって、どうも集中できない。そんなときに力を発揮するのがペパーミントです。
試験前に暗記をしたいときや、とっ散らかった予定を時系列に並べ直すとき、溜め込んでいた考えをまとめたいときなど、ここ一番で集中したいときにペパーミントの香りをかぐと、あたふたしていた心をスッと静めてくれます。これは、ペパーミントの頭脳明晰作用によるものです。使い方は簡単。ティッシュにペパーミントの精油を1滴たらして香りをかいでみましょう。集中力がアップして、深い思考に没頭することができます。
また、ペパーミントの香りは気持ちをクールにする働きがあります。一時的にカッと怒りがこみあげてきたときや、イライラする感情が沸き起こったときなどは、冷静さを取り戻してくれます。夏は熱帯夜で寝苦しいときにも使いたいですね。
市販の胃薬にはミント味のものがあり、飲むとスーッとします。確かにミントはスッとした香りや味ですが、実はペパーミントには、胃の筋肉をリラックスさせる働きがあるのです。
緊張して胃が痛いとき、食べ過ぎて胃がもったりしているとき、忙しすぎて胃の働きが悪いときなどは、香りをかぐだけでなく、ホホバ油などにペパーミントの精油をたらし、胃のあたりをマッサージするといいでしょう。また、ペパーミントティーを飲むのも効果的です。
よく、焼き肉屋で会計を済ませると、ミント系のガムを渡してくれるところがありますが、あれは匂い消しという役割のほかに、ミントの香りで消化器の働きを促すことにも役立っているのです。
冷たいものを食べすぎたり、夏バテなどで胃腸の働きが弱っているときは、ペパーミントを上手に活用してみましょう。
冷房にあたりすぎて体調を崩してしまった…、冷房をかけて寝たら意外と寒かった…。夏は汗をかいた後に体が冷えすぎて、夏カゼをひいてしまうことがありますよね。気温が高いのに体は熱っぽくなり、鼻がつまる、鼻水がダラダラ、ノドが痛い、セキも出てきた…。そんなときこそペパーミントの出番です。
のど飴や顆粒タイプの市販薬にはミント味のものが多く出回っています。ミントのスッとした香りが鼻の通りをよくし、呼吸を楽にしてくれるわけですが、実はペパーミントの香りには清涼感があるだけでなく、鼻水や痰を排出する去痰作用や、頭痛などを楽にする鎮痛作用があるのです。また、筋肉をゆるめる鎮痙作用もあるので、セキで苦しいときには、ホホバ油などにペパーミントをたらし、胸に塗ってマッサージするのも効果的です。ペパーミントティーを飲むのもいいですね。
夏カゼをひいて、呼吸器系のトラブルに見舞われてしまったら、ひんやり、クールなペパーミントの香りで対処してみてはいかがでしょう。
20年ほど前、ある大学と食品メーカーが、ペパーミントの精油を使ってO-157の大腸菌を死滅させるという学術論文を発表しました。ペパーミントはお菓子や料理に使われる食材で、その天然成分には、ほかに類を見ないほどの殺菌作用があることはわかっていますが、実験では、ペパーミント精油を0.04%以上に希釈すれば、O-157が完全に死滅する結果となりました。
そこで、台所の菌が気になる夏は、除菌・殺菌にペパーミントを利用してみましょう。スプレーボトルに水とペパーミントの精油を入れて、気になるところに吹きつければOKです。ペパーミントは食品なので、まな板や包丁についても安全です。
一般的な精油は、1滴が0.05ml。100mlの水にわずか1滴落とすだけで0.05%になります。論文では0.04%以上に薄めるとO-157が死滅するということなので、ほんのわずかの希釈液で大丈夫。ペパーミント以外にも、レモンやユーカリの精油を混ぜると、防虫や消臭効果もアップします。
※ペパーミントは妊婦や授乳中の方、3歳以下の子どもは使ってはいけません。
〈参考:『精油テキスト』,2002,日本アロマコーディネータースクール〉
〈参考:ペパーミント精油の腸管出血性大腸菌 O157 に対する抗菌活性,日本病院薬学会年会, 1998〉
夏になるとシャンプーや飲み物など、ミント系の香りのものが増えます。これは、「スッとした香りが涼しい感じがする」というイメージだけではなく、実際にクールダウンするという作用があるので、自然と求められているということなのでしょうか。夏こそペパーミントを上手に活用したいですね。また、ミント系は手軽に栽培することができるので、プランターに植えておくと、フレッシュな葉をいつでも利用できます。ただ、とても生命力が強い植物なので、庭に植えるときは要注意。きちんと手入れをしないと、ミントが庭をすべて征服してしまうかのごとく増えてしまい、後で泣くことになりかねません。植えるときは入念に計画を立てたほうがよさそうです。