25日は秋田県、山形県で大雨となり、河川の氾濫や土砂災害が相次いでいます。山形県酒田市周辺の豪雨は夕方には一旦弱まる見通しですが、今夜から明日26日明け方は、再び大雨となる恐れがあります。また、28日頃は、台風3号由来の湿った空気が東北へ入り、大雨の恐れがあります。梅雨末期の大雨が断続的に続くため、土砂災害や、川の氾濫、低い土地の浸水などに更なる警戒が必要です。

●秋田・山形県境付近 災害の危険高まる

25日は梅雨前線や湿った空気の影響で、秋田・山形県堺付近で大雨になっています。午前9時過ぎには山形県酒田市と遊佐町付近では、1時間に100mmを超える大雨が解析され、記録的短時間大雨情報が複数発表されました。

記録的短時間大雨情報が複数発生された場合、川の氾濫や土砂災害の発生することが多くあります。

午前10時現在、秋田県由利本荘市内を流れる石沢川で氾濫発生しているほか、岩手県西和賀町を流れる佐草川(佐草橋)、山形県酒田市内を流れる荒瀬川(白玉橋)、秋田県大仙市内を流れる雄物川(大川橋)で、氾濫開始水位を超え、氾濫が発生している恐れがあります。

山形県内を中心にかかる活発な雨雲は、夕方には一旦弱まる見込みですが、雨が弱まってから下流の河川で氾濫が発生したり、土砂災害の発生する危険が非常に高くなっているため、厳重に警戒してください。

●25日夜~26日明け方 再び大雨に警戒

今夜から明日26日明け方は東北日本海側を中心に再び大雨になる恐れがあります。梅雨前線上に低気圧が発生し、東北北部を通過するためです。
予想される雨の降る量は、明日午前6時までの24時間の多い所で、東北日本海側150mm、東北太平洋側で80mmです。
すでに大雨になっていますので、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水などの恐れがさらに高まります。厳重に警戒をしてください。

●28日頃 台風由来の湿った空気で大雨の恐れ

東北の梅雨明けは8月に遅れそうで、断続的な大雨に警戒が必要です。
28日頃は、台風3号が運ぶ熱帯由来の暖かく湿った空気が東北付近に流れ込む予想で、再び日本海側を中心に大雨になる恐れがあります。
台風が低気圧に変わってからも、東北には大きな影響が予想されます。今後も最新の情報を確認して、大雨に備えてください。

●冠水道路は危険 車での走行は避けて

大雨により冠水した道路は危険です。冠水した道路の水位は見た目には判断できません。まだ、たいしたことはないと思っても、危険な深さになっている場合があります。

浸水による車への影響は、車の形や設計により異なりますが、一般的にタイヤの高さの半分を超える深さの水の中を走行すると、エンジンや電気系統に異常が生じ、走行不能となるおそれがあります。タイヤが完全に水没すると、車体が浮いて移動が困難になります。さらに、水深がドアの下にかかると、車外の水圧により内側からドアを開けることが困難となり、ドアの高さの半分を超えると、内側からほぼ開けられなくなります。水深がもっと深くなったり、流れが速くなったりすると、車ごと流される場合もあります。

車を運転中に大雨に遭遇した場合は、できるだけ低い場所を避けて運転してください。

●命を守るポイントは

大雨のため土砂災害や川の氾濫の恐れがあります。避難所や親せき宅などの安全な場所への避難が基本ですが、危険が差し迫った場合、命を守るにはポイントが2つあります。

1つめは、早めの避難を心掛けることです。特に、お年寄りや障害のある方など、避難に時間のかかる方がいらっしゃる場合は、大雨になってしまう前に、行動してください。また、夜中に大雨が予想される場合は、なるべく明るいうちに、避難所など安全な所へ避難することが重要です。

2つめは、より安全な所へ避難することです。これまで、土砂災害や川の氾濫の多くは、木造家屋の1階で被害にあっています。すでに雨が強まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。

万が一、土石流が発生した場合は、土砂の流れる方向に対して直角に、できるだけ高い所へ避難することが、命を守ることにつながります。

情報提供元: tenki.jp日直予報士