関東・東北は大気不安定 記録的な大雨の千葉・茨城・福島 少しの雨でも土砂災害警戒
きょう9日(土)も、関東や東北では大気の状態が不安定。千葉県・茨城県・福島県では、これまでの記録的な大雨により地盤が緩んでいる所があります。少しの雨でも土砂災害に警戒。雨がやんだあと、時間差で土砂災害や川が増水することがあります。むやみに家の裏山や川へは近づかないようにしましょう。
●千葉・茨城・福島で記録的な大雨
台風13号は、昨夜(8日)21時に、日本の南で熱帯低気圧に変わりましたが、きょう9日(土)も台風から変わった熱帯低気圧や太平洋高気圧の縁をまわって湿った空気が流れ込み、関東や東北では大気の状態が非常に不安定となっています。今夜(9日)にかけて、急な雨や雷雨に注意が必要です。
きのう8日(金)は台風13号の影響で、関東や東北では記録的な大雨となりました。台風13号は、上陸することなく、日本の南海上(東海の南海上)で熱帯低気圧に変わりました。ただ、台風の中心よりも台風の北東側に活発な雨雲があり、台風が接近する前から関東や東北では記録的な大雨となりました。千葉県・茨城県・福島県では発達した積乱雲が次々と連なり同じような場所で大雨をもたらす「線状降水帯」が発生し、レーダー解析で猛烈な雨が降ったとみられ「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。
48時間雨量の日最大値(9日午前9時まで)は、千葉県茂原市で405.0ミリ(9月平年:229.5ミリ)と、平年の2倍近い雨量を観測。しかも、わずか半日で平年の9月1か月分の雨量を超え、観測史上1位となった所が多くなりました。
9日午前9時までの48時間雨量の日最大値は、
千葉県茂原市 405.0ミリ(観測史上1位:統計開始1976年)
千葉県君津市 387.5ミリ(観測史上1位:統計開始1978年)
千葉県大多喜町376.5ミリ(観測史上1位:統計開始1976年)
千葉県鴨川市 366.0ミリ(観測史上1位:統計開始1976年)
茨城県日立市 282.5ミリ(観測史上1位:統計開始1976年)
福島県南相馬市(原町)では、9日午前9時までの12時間の日最大値が171.0ミリ(観測史上1位:統計開始1976年)を記録しました。
●記録的大雨で地盤緩む 少しの雨でも土砂災害に警戒
これまでの記録的は大雨で、千葉県・茨城県・福島県では地盤が緩んでいます。9日午前9時現在、千葉県・茨城県・福島県には、「土砂災害警戒情報(レベル4)」が発表中です。土砂災害危険度分布では、赤の「警戒」や、一部で紫の「危険」な箇所もあります。
関東や東北の雨は止んできましたが、9日(土)夜にかけて、大気の不安定な状態が続き、局地的に雨や雷雨がありそうです。記録的な大雨となった所では、少しの雨でも土砂災害や川の増水に注意・警戒が必要です。
過去には、大雨のあと、半日以上経ってから、土砂災害や川の増水が発生した事があります。家の裏山や近所の川へはむやみに近づかないようにしましょう。
また、きょう9日(土)の日中は気温がぐっと上がり、最高気温30℃以上の所が多くなる見込みです。復旧作業は、こまめに休憩や水分をとり、熱中症には十分に注意しましょう。
●土砂災害の前兆
大雨によって土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象があります。いざという時のために、ぜひ覚えておいてください。
1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。
そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。