近年の春 高温傾向が顕著 今年も高温に 桜の開花10年あたり約1日早くなっている
近年の春は、高温傾向が顕著になっており、今年も高温傾向でしょう。桜の開花は、10年あたり1.1日の変化率で早くなっています。今年の桜の開花は、全国的に平年並みか早めの予想です。
●春の気温 100年あたり1.56℃の割合で上昇 特に近年は高温傾向が顕著
上のグラフは、春(3月~5月)の平均気温偏差の経年変化(1898年~2022年)です。様々な変化を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.56℃の割合で上昇しています。特に2015年以降、高温傾向が顕著です。
なお、上のグラフの平均気温偏差を求める際に用いられる地点は、都市化による影響が比較的小さく、特定の地域に偏らないように選定されており、東京都心などは入っていません。
都市化の影響なども考えられる東京都心でみてみると、2019年5月に、最高気温30℃以上の真夏日が4日連続しました。5月26日に32.6℃、翌日27日に32.4℃を観測し、1876年の統計開始以降、それぞれ5月の1位と2位の記録になりました。
●今年の春も高温傾向に
今年の春も、高温傾向でしょう。
気象庁が今月21日に発表した3か月予報によると、3月から5月は、北からの寒気の影響を受けにくい見込みです。3か月の平均気温は、沖縄・奄美は、ほぼ平年並みでしょう。九州から北海道では、平年より高い予想です。
●桜の開花 10年あたり1.1日の変化率で早くなっている
気象庁では、季節の遅れ進みや、気候の違いや変化など総合的な気象状況の推移を知ることを目的に、植物の開花などの生物季節観測を実施しています。
上のグラフは、さくらの開花日の経変変化を示しています。さくらの開花は、1953年以降、10年あたり1.1日の変化率で早くなっています。
さくらの開花日が早まるなどの経年変化の特徴の要因の一つとして、長期的な気温上昇の影響が考えられています。
参照:気候変動監視レポート2021
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/2021/pdf/ccmr2021_all.pdf
●2023年 桜開花予想 全国的に平年並みか早め
日本気象協会が、今月16日に発表した、2023年桜開花予想(第2回)では、今年のさくらの開花は、全国的に平年並みか早めで、福岡や高知で、3月19日に開花スタートになる見込みです。