9月の振り返り キーワードは台風襲来・残暑・冷え込み 10月の天気・気温は?
2022年9月を振り返ると、毎週末、台風が日本列島に襲来し、記録的な大雨などをもたらしました。また「厳しい残暑」の所もあった一方、北海道では「冬日」に迫る冷え込みの所もあり、気温の変化が大きくなりました。あすから10月、天気や気温はどうなるのでしょうか?
●キーワード①台風 2週連続で沖縄へ
2022年9月を振り返ると、まず、印象的だったのは、毎週末、日本列島に、台風が襲来したことではないでしょうか。
8月28日に、南鳥島近海で発生した台風11号は、9月に入ると急速に発達し、1日3時と2日3時で比べると、強風域が2倍以上になりました。
この台風の影響で、8月末から、小笠原諸島や沖縄県で大荒れの天気となりましたが、9月2日以降は台風が進路を北よりに変えて、東シナ海を北上したため、長崎県でも風が強まりました。長崎県対馬市厳原では、6日3時36分に、最大瞬間風速44.7メートルを観測しました。また、台風本体から離れた所でも雨が強まり、静岡県磐田市では、2日14時26分までの1時間に95.5ミリの猛烈な雨を観測し、観測史上1位の値を更新しました。
翌週は、台風12号が、沖縄県でまた猛威を振るいました。
西表島の上原では、12日20時15分に最大瞬間風速40.4メートルを観測しました。また、波照間島では、11日と12日の2日間降水量が401.0ミリと、平年9月ひと月分(214.6ミリ)の約1.9倍の雨が、たった2日で降りました。
●台風14号 「特別警報」発表
さらに、この9月、最も発達した台風は14号でした。台風14号は、17日に、中心気圧が910ヘクトパスカルまで下がりました(速報値)。台風14号は、18日午後7時頃、鹿児島市付近に上陸しましたが、「非常に強い」勢力で台風が上陸したのは、2018年台風21号(徳島県南部に上陸)以来、4年ぶりでした(速報値)。
上陸前日の17日には、鹿児島県に、台風を要因とする特別警報(暴風・高潮・波浪)が発表されました。台風を要因とする特別警報が、沖縄以外に発表されたのは、初めてのことでした。また、18日には宮崎県に、大雨特別警報が発表されました。
この台風の影響で、九州など西日本を中心に、暴風や大雨・高波に見舞われました。鹿児島県屋久島町小瀬田(屋久島)では、18日11時51分に最大瞬間風速50.9メートルを観測。宮崎県美郷町南郷(神門)では、総雨量が985.0ミリに達しました。
●台風15号 静岡県で記録的な大雨に
そして、シルバーウィーク後半の三連休は、台風15号の影響で、静岡県を中心に、記録的な大雨になりました。
静岡県内では、23日夜から24日未明にかけて、記録的短時間大雨情報が、16回も発表され、線状降水帯が発生しました。また、静岡市では、24日2時6分までの1時間降水量が107.0ミリと9月1位の値を更新、降り始め(22日5時)から24日11時までの降水量が419.5ミリと、平年9月ひと月分(280.6ミリ)の約1.5倍の雨が、たった2日あまりで降りました。
9月に発生した台風の数は、合計7個となり、平年9月の5.0個を上回りました。
●キーワード②残暑
さらに、台風は、記録的な暑さももたらし、残暑が厳しくなりました。
台風11号が、対馬海峡から日本海へと進んだことにより、6日は、北陸を中心に、猛烈な暑さになりました。これは、台風へ吹き込む暖かく湿った風が、フェーン現象により、山越えの乾いた熱い空気となって、北陸へ吹き降りたからです。
6日の最高気温は、新潟県三条市で38.8℃を観測。金沢市では38.5℃と、観測史上1位タイの暑さでした。
また、広い範囲で、残暑が続きました。猛暑日地点数は、12日は13地点、13日は12地点と、9月中旬以降に2日連続で猛暑日が10地点以上になったのは、2012年(9月17-18日)以来、10年ぶりでした。さらに、14日は34地点、15日は23地点と、猛暑日地点の多い状態が続きました。
9月29日までの「気温 30日間平均」を見ても、北から南まで、気温が平年より高い所が多くなりました。
●キーワード③冷え込み
そんな中、朝晩は、秋らしく冷え込んだ所もありました。
21日の最低気温は、岩手県盛岡市薮川で2.3℃などと、本州で今季初めて、最低気温が5℃を下回りました。栃木県日光市土呂部では、21日24時に4.2℃を観測し、関東で今季初めて、最低気温が5℃を下回りました。
また、22日の最低気温は、北海道下川町で0.1℃と、「冬日(最低気温0℃未満)」一歩手前まで、気温が下がりました。
そして、9月の最終日の朝、富士山頂では、最低気温が氷点下2.9℃と、冷え込みました。富士山頂では、29日は雪雲がかかり、30日朝は麓から雪化粧した富士山が見られました。