未曾有の大雨となった所が続出 たった3日間で雨量800ミリ近くも 土砂災害に警戒
九州では、かつてないほどの大雨になっています。13日15時までの72時間雨量は、長崎県の雲仙岳で800ミリ近くに達し、九州の所々で「観測史上1位」となりました。また、九州だけでなく、一時、大雨特別警報が発表された広島県や、富山県でも、雨量が「観測史上1位の値」となっている所があります。土砂災害などに警戒を続けてください。
●続々と 観測史上1位
13日金曜午後も、本州付近には、前線が停滞しています。その前線に向かって、大雨のもとになる「暖かく湿った空気」が流れ込んでいるため、九州から東北の広い範囲で雨が続いていて、記録的な大雨になっている所があります。
15時までの72時間降水量は、長崎県の雲仙岳で788.5ミリに達しました。また、長崎県島原市、長崎県南島原市、佐賀市、熊本県天草市本渡でも、観測史上1位となりました。(観測開始は、長崎県の雲仙岳2002年、長崎県島原市2006年、長崎県南島原市・佐賀市・熊本県天草市本渡1976年。)
記録的な大雨は、九州だけではありません。
富山県氷見市では、15時までの24時間降水量が、212.0ミリとなりました。平年8月の降水量が184.5ミリですので、平年8月ひと月分を超える雨量が、たった1日で降ったことになります。
さらに、一時、大雨特別警報が発表された広島県では、安芸高田市美土里で9時10分までの3時間降水量が110.5ミリ(観測開始は2006年)、安芸高田市甲田で9時40分までの3時間降水量が125.5ミリ(観測開始は1976年)と、どちらも観測史上1位となりました。
●土砂災害の前触れは
これまでの大雨によって、地盤の緩んでいる所があります。土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象がありますので、いざという時のために、ぜひ覚えておいてください。
1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。
そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。