台風が接近・通過する時間帯を中心に、沖縄、九州から東海で顕著な高潮の恐れ。高潮は急激に潮位が上昇し、海水が海岸堤防等を超えると一気に浸水します。警戒して下さい。



●台風の接近・通過の時間帯は特に警戒を


非常に強い台風24号は、29日は沖縄付近を北東へ進み、次第に速度を速める見込みです。30日は9月上旬の21号とほぼ同じ勢力で西日本にかなり接近または上陸し、さらに速度を上げて、10月1日にかけて日本列島を縦断する予想です。今後、台風の接近・通過する時間帯を中心に、顕著な高潮となる恐れがあります。高潮の潮位変化は非常に速く、30分から1時間くらいで上昇します。高潮に高波が加わると、さらに浸水の危険が増します。警戒して下さい。台風が接近すると、暴風、激しい雨、波しぶきで避難所へ移動することが困難になりますので、台風情報や高潮警報を確認し、安全に行動できるうちに避難することが大切です。


●高潮とは


高潮は主に「吸い上げ効果」と「吹き寄せ効果」が原因となって、海面が大きく上昇する現象です。吸い上げ効果とは、台風や低気圧では気圧が周辺より低いため、海水が吸い上げられて、海面が上昇します。気圧が1ヘクトパスカル下がると、潮位は約1センチメートル上昇します。吹き寄せ効果とは、強い風が沖から岸に向かって吹くと、海水が岸に吹き寄せられて海面が上昇します。水深が浅い海ほど高く上昇するため、遠浅の海では、特に潮位が高くなります。


●過去には台風の通過後に高潮のピーク


過去には台風の通過後に高潮がピークとなったことがあります。2009年の台風18号は10月8日の午前5時過ぎに愛知県知多半島付近に上陸し、東海地方を通って、午前9時頃に関東甲信付近を通過。その後は東北地方を進み、夕方に太平洋に達しました。この時、名古屋では午前8時32分に最高潮位を観測しています。高潮のピークは気象状況と地形で異なりますので、台風の接近前や通過後も警戒・注意する必要があります。


情報提供元: tenki.jp日直予報士