京都MF奥川雅也(撮影・永田淳)

ブンデスリーガのアウクスブルクから京都サンガF.C.に完全移籍で“復帰”したMF奥川雅也(28)が、Jでの活躍と日本代表復帰に意欲をみなぎらせた。

29日は京都・城陽市内のサンガタウンで公開練習。コンディション調整で全体練習から離れることもあったが、時折笑顔を見せながらメニューを消化。「何度か訪問はさせてもらっていたけど、ピッチに入ってボールを蹴るのは前にいた時以来。すごく懐かしい」と約10年ぶりとなる練習場でのトレーニングを感慨深く振り返った。

15年に京都の下部組織からトップチームに昇格し、同年オーストリア1部のザルツブルクに移籍。その後は同国やドイツでプレーしてきた。ビーレフェルトでプレーした22年1月には、ブンデスリーガで日本人選手として初となる4試合連続ゴールも記録するなど活躍したが、23年7月に移籍したアウクスブルクでは負傷もあって思うように出場機会を得られなかった。それでもセカンドチームでは好調を維持。奥川は現在の状態について「セカンドチームでは練習でも誰よりもゴールやアシストはしていたし、試合も出ていたから、試合感覚は鈍っていない。今は徐々にやっているけど、合流も近いし、怖さはない」。京都での再デビューも近いうちにやってきそうだ。

奥川は曹貴裁監督(55)が求める強度高いサッカーも歓迎している。「プレスをかけてショートカウンターで縦に速いサッカーは、僕が欧州でしていたサッカーのベースだった。攻撃のクオリティーで京都の助けになれたらいい。ポジションがどこであろうと、型にはまらず自分のプレーを出せたらいい。京都の地でもう1度プレーするのが目標でもあった。早くみんなに僕の成長した姿を見せたい」。18歳で海外に出た時とは違う、力強さも身に付けたプレーでの貢献を誓った。

今季は日本代表への思いも抱いて戦う。A代表には、欧州チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン・ミュンヘン戦で本大会初ゴールも決めた20年11月に初選出された。しかし当時所属していたザルツブルクで新型コロナウイルスのクラスターが発生し、招集見送りとなった。それだけに思いを強く持つ。「僕自身ここに来た意味は、これからまたステップアップするため。日本代表は僕のサッカー人生の中で通らなければならない道だと思っている。そういうところも目指していきたい」。自信に満ちた表情で、力強く語った。

現在の代表は欧州で戦う選手が多いが、国内でのプレーがマイナスになるとは考えていない。「Jリーグのレベルも高くなっている。特にこの京都は、海外(レベル)のベースを作って今季戦うと曹さん(曹貴裁監督)が言っていた。強度高いプレーを毎試合していれば、リーグ関係なく見られると思う」。京都から再び代表へ。得点力とハードさを増したドリブラーが、今季のリーグをより魅力的なものにする。【永田淳】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【京都】“復帰”したMF奥川雅也「通らなければいけない道」と代表再選出にも意欲