【こんな人たち】最下位西武の浮上を担う新助っ人4人の原風景、服装、人柄…入団会見から探る
西武の新外国人選手4人が29日、埼玉・所沢市内で入団会見を行った。
シーズン91敗の歴史的敗北からの浮上へは、助っ人たちの活躍が必須。彼らはどんな人柄か。1時間近くの会見から探った。
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トレイ・ウィンゲンター投手(30=カブス)は会見冒頭の自己紹介で「アメリカのアラバマ州から来ました」と切り出した。
アメリカ合衆国南部にあり、州の一部はメキシコ湾に面する。「アラバマはバーベキューがすごく盛んなところです。フライドチキンとかマッシュポテトをみんな好んで」
それと。
「アメリカンフットボールが有名なところです。自分が通っていたアーバン大学もアメフトが有名でした」
黒のスーツに細めの紺色ネクタイ。会見序盤は少し身を縮めているようにも見えたが、故郷自慢では目を輝けながら話していた。ちょっと跳ねた後ろ髪、赤らんだ頬もトレードマーク。声は少し低めだ。
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タイラー・ネビン外野手(27=アスレチックス)の顔は彫りが深く、ハリウッド映画で主演を張っているのでは? と思ってしまうほどのイケメンだ。
ブルースーツにカラーシャツ、茶色のネクタイ。記者に対しても、隣のウィンゲンターに対しても、相手の発言中にはじっとその人の目を見ている。
「(出身の)サンディエゴは1年通して気候がいいところなので、今の時期でも気温が18度、20度とかあります。ゴルフ場も多くて、ビーチでゆっくりするのもできる。過ごしやすい街かなと思っています」
父は元エンゼルス監督。紳士の振る舞いと、いい意味での“余裕さ”をかもし出していた。
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ラテン系の人はノリがいい、と勝手に思ってしまっている。エマニュエル・ラミレス投手(30=マーリンズ)は実直に見えた。
会見中、誰かの話を聞く時も自分が発言する時も、背筋をしっかり伸ばしてあまり表情も崩さない。
ドミニカ共和国の北部沿岸にあるプエルト・プラタで生まれ育った。エメラルドの海が広がる。
「魚が自慢ですね。海も山もとても美しくていいところです。午前中は海沿いを散歩したり。あとはカカオ豆が人気で、たくさん生産しています」
黒いスーツにカリブ海のような水色ネクタイを合わせ、誠実に故郷を表現してくれた。
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レアンドロ・セデーニョ内野手(26=オリックス)はベネズエラの北部、ミランダ州に生まれ育った。
「グアティレというすごくちっちゃい街です。すごくちっちゃい街で、何もすることがないところ(が自慢)ですね」
そう言って、報道陣や球団関係者を笑わせた。グーグルのストリートビューで眺めてみると、グアティレには遊園地もあるようで「何もない」のはちょっと盛っているのか、はたまた大人になって故郷と比にならない大都市を見てきたからか。
会見中も時折リズミカルな動きをし、ウィンゲンターらの英語をうなずきながら聞いている。ネクタイはだいぶ短く結んでおり(第4ボタンあたりがネクタイの先)、存在感たっぷりの会見だった。
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それぞれのホームタウンから、太平洋を渡ってやって来た。獅子浮上の命運は彼らが握る。【金子真仁】