「横浜DeNAベイスターズ2025初春の集い」で契約が発表されVTRでファンにメッセージを送るDeNAバウアー(撮影・垰建太)

DeNAは27日、トレバー・バウアー投手(34)と選手契約を結ぶことで合意したと発表した。背番号は96に決まった。球団はこの日、ファンを集めて横浜市内の関内ホールで「横浜DeNAベイスターズ 2025 初春の集い」を開催。会場にユニホーム姿のバウアーの映像が流れるサプライズ演出で、復帰を正式発表した。大興奮のファンとともに、20年サイ・ヤング賞右腕が2年ぶりに横浜に帰還する。

   ◇   ◇   ◇

会場のボルテージが一瞬で最高潮に達した。球団からの発表として、会場のモニターにバウアーの姿が映し出される。着ているのは発表されたばかりの新しいホームユニホーム。手を振りながら、笑顔で言った。「またみなさんに会えるのが楽しみで待ちきれません。前回、日本にいた時は全てを出し切ることができなかった気がする。ポストシーズンで投げられなかったし、優勝もできなかった。今年はその全てを変えたい」。ストイックに頂点を見据えた。

サイ・ヤング賞の次に狙うのは「沢村賞」だ。23年は東、今永(現カブス)らと先発ローテーションを支えて10勝をマーク。昨季プレーしたメキシコでは10勝0敗で最優秀投手賞に輝いた。「(今は)絶好調で、投手としてこれまでで最高の状態だ。僕にとって、沢村賞とサイ・ヤング賞を取ることは本当に意味があることなんだ。それができたら野球人生の中で最高の栄誉だと思うし、今年はそれを成し遂げたいと思っている」と、日米の最高の栄誉をダブルで取りに行く。

最強助っ人の復帰をチームも歓迎する。定期的に交渉状況を伝え聞いていた三浦監督は「やっと言える」と安堵(あんど)しつつ「ファンの方も自分自身も楽しみでワクワクしてます。大きな戦力ですし、先発投手で1年間フルでやってくれることを期待しています」と東、ジャクソン、ケイらに続く先発陣の柱として期待した。

さらに21年にドジャースで同僚だった筒香も「野球に対してすごくストイックで真面目に取り組んでいるという印象は残っています。一流のプレーヤーで非常に大きな戦力だと思いますし、一緒にプレーするのを楽しみにしています」と、共闘を心待ちにした。

横浜に集結した熱狂的ファンの前で、直々に発表されたバウアー復帰。リーグ優勝と日本一を“奪首”する準備は整った。【小早川宗一郎】

▼バウアーは前回来日した23年に5~8月の4カ月だけで10勝しており、今季も10勝する可能性は十分ある。昨季8勝のジャクソン、同6勝のケイもそろって日本シリーズで白星を挙げるなど、2年目は先発ローテーションの軸になりそう。プロ野球史上初の助っ人10勝トリオが誕生するかもしれない。外国人投手の10勝コンビだけでも珍しく、過去は09年巨人(ゴンザレス15勝、グライシンガー13勝)、11年日本ハム(ケッペル14勝、ウルフ12勝)の2例しかない。

◆外国人の沢村賞 過去は64年バッキー(阪神)と16年ジョンソン(広島)が受賞している。バッキーは29勝、ジョンソンは15勝を挙げ、ともにリーグ優勝に貢献した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【DeNA】バウアー横浜帰還「前回、全て出し切ることできなかった」頂点&沢村賞見据える