センバツ出場を決め、会見に臨む早実・和泉監督。後方は中村(撮影・河田真司)

<第97回選抜高校野球:選考委員会>◇24日

昨秋東京大会準優勝の早実が、8年ぶり22度目のセンバツ出場を決めた。

昨夏に続く2季連続甲子園となる。和泉実監督(63)は、06年には斎藤佑樹を擁し春→夏の2季連続甲子園出場。今回は夏→春。これで、両パターンを達成する。

春→夏と、夏→春。どちらの方が難しいのか? 代替わりする後者なのか? そう問われた和泉監督は「うーん」と少し考えた後、「両方、難しいですよ」と笑った。

夏の甲子園に出場すると、必然的に新チームの始動は遅れる。練習量や練習試合の機会が少ないまま、秋の本番を迎える。ただ、今回のチームは「それを超えた経験値がものを言ったと思います」。昨夏の甲子園では、中村-山中の2年生バッテリーを中心に3回戦まで進んだ。接戦ばかりだったが、その経験は大きかった。

実は、和泉監督自身も早実の高校生時代に似た経験をしている。

1年生だった77年、夏の甲子園で先輩たちが8強まで進んだ。新チームとなり捕手に転向したが「練習試合は1試合しかやれなくて。キャプテンでエースの山岡さんの球を一生懸命、受けることしかできなかった」。それでも秋の東京大会で優勝し、翌春のセンバツに出場した。和泉監督自身は同年の夏の甲子園ではプレーしていないが、始動が遅れても、チームの経験値が引き継がれたのだろう。

もっとも、一概に言いきれないのがチーム作りの難しさだ。「高校野球って、いろんなパターンがあって」と前置きして続けた。

「今回みたいに、秋、試合経験がある者が多い中で、練習量の多さとかじゃなく勝ち進めたりですね。万全を期して、手応えアリアリでも1回戦で負けたりとか。自信を持って行ってもゲームは生き物なんで、難しいですから。難しい展開になった時に、それまでの練習試合は負けなしが、初めて負けるようなパターンになった時に生徒が慌てたりですね。やっぱり高校生なんで、精神的に未熟な部分が多いもんですから」

結局、こう繰り返す。

「(春夏連続も、夏春連続も)両方、難しい」

ただ、一つ言えるのは、選手たちにかける期待値の高さだ。

「経験値を持って度胸がある時には、いろんな力を発揮してくれるのは高校生たちだと思う。そういうことを期待しながら戦った結果が今日になったと思います。その成長を楽しみに、公式戦で違うものを見せてくれる生徒たちを楽しみに、この30年間、やってますので」

監督として、春夏通算10度目となる甲子園に挑む。【古川真弥】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【センバツ】早実2季連続甲子園 春→夏、夏→春どちらが難しい? 両方達成和泉監督の答えは…