【センバツ】新たな「花巻東」へ佐々木監督「喜び以上に責任」出場決まり会場安堵 右の強打者中心
第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場校を決める選考委員会が24日、大阪市内で開催された。東北大会ベスト4ながら秋田商と鶴岡東(山形)の県1位校を撃破した花巻東(岩手)は総合力を評価され、3年ぶり5度目の出場を決めた。
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出場が決まり、会場は安堵(あんど)に包まれた。花巻東の一室に設置されたスクリーンに向かい、全員で発表の瞬間を固唾(かたず)をのんで見守った。待ち望んだ「花巻東」を呼ぶ声に、小さくガッツポーズしたり目を閉じて深呼吸すしたりと、部員それぞれが喜びをかみしめた。
東北3枠目に滑り込んだ。佐々木洋監督(49)は「レベルの高い東北の代表ということで、すごく今、喜び以上に責任を感じています」と気を引き締めた。
今までとは違う、新たな「花巻東」野球を見せる。花巻東といえば、ドジャース大谷やスタンフォード大の佐々木麟ら、左の強打者が攻撃の中心となることが多かった。だが、現チームは1年生ながら昨夏の甲子園に4番で出場をした古城大翔内野手(1年)を軸に、右の強打者を擁する。「新規格でも旧規格のバットくらい飛ばそうというくら冬は練習してきている」。投手陣もエース金野快投手(2年)と昨秋東北大会で2枚看板としてけん引した萬谷堅心投手(1年)らに期待を寄せる。「花巻東の野球はこうだ、ではなく、戦力を見た戦い方をするというように、監督自身が変わらないといけないのかなと思う」。個の持ち味を最大限に生かして結集させたチーム作りを進める。
変わらないものもある。常に地元の応援を背に、野球に向き合ってきた。花巻市出身の中村耕太朗主将(2年)は「地域の方々にもいろんな面でサポートしてもらって僕たちの野球部が成り立っている。その思いも全て背負って戦ってきます」と高らかに誓った。「シン・花巻東」が、周囲への感謝の気持ちを、春の甲子園での快進撃で返していく。【高橋香奈】