殿堂入りサバシア氏回顧「僕の新人王を彼に盗まれた」新球スライダーをイチロー氏に連続被弾
25年の米国野球殿堂表彰者となった3氏の記者会見が23日(日本時間24日)、米ニューヨーク州クーパーズタウンの殿堂博物館で行われ、イチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐)が、CC・サバシア氏(44)、ビリー・ワグナー氏(53)と一緒に出席した。唯1人投票しなかった記者に「一緒に飲みたい」と呼びかけるなど、ユーモアたっぷりの「イチロー節」を披露。7月27日には、同地でセレモニーが行われる。
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ヤンキースなどで通算251勝のサバシア氏は、一緒に殿堂入りしたイチロー氏との思い出を語った。MLBコムによると、インディアンス時代の05年。後に決め球となる新球スライダーを習った。「この球すごいな」と感じ、最初に使用したのが7月30日のマリナーズ戦だった。「イチローを2ストライクまで追い込んで使ったら、彼はその球を打って、球場の窓に当てた」。右翼席2階のレストランの窓まで運ばれる、渡米後最長となる132メートルの本塁打を打たれた。
次の打席では、初球にスライダーを投じた。「また打たれたよ」。右中間に2打席連続アーチを浴びた。「彼は僕たちの世代で最高の選手の1人だった。対戦するのはいつも楽しかった」と振り返った。2人はMLBデビューが同じ01年で、17勝だったサバシア氏は「僕の新人王を彼に盗まれた」と笑わせる一幕もあった。
09年からヤ軍に移籍し、12~14年はイチロー氏とチームメートとなった。イチロー氏も「敵として見ていた時と同じく、どんな時も淡々としていて感情を見せない。CCのためなら勝たせてあげたいと思わせる投手でした」と話した。
▽ワグナー氏(178センチと小柄ながら殿堂入りし)「子どもたちに『ここにたどり着くチャンスは誰にでもある。身長や出身地なんて関係ない』と知ってもらいたい」