キャッチボールをする才木(撮影・上田博志)

阪神才木浩人投手(26)が23日、兵庫西宮市の鳴尾浜球場で自主トレを公開し、エースを担う気構えを示した。チームの顔になるべく、防御率1・50以下で沢村賞を狙うと宣言。昨季は勝ち頭の13勝&防御率1・83の好成績を残したがタイトルを逃し、チームも連覇を逃したことで満足はしていない。夏場に失速した反省を生かし、年間無双でV奪回に貢献する意気込みだ。

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鳴尾浜で汗を流すタテジマナインの中で、ひときわオーラを放ったのは、昨季13勝の勝ち頭、才木だった。ウオーミングアップに始まり、キャッチボール、ノックでの守備練習、ランニングなど約1時間半。昨年の好成績に気を緩めることなく、黙々と取り組んだ。チームのV奪回へ、虎のエースを担う覚悟を示した。

「まだ球団の顔と言われるほど、活躍はしていない。そう言ってもらえるように。優勝できるように、その中心の選手としてやっていけるように頑張りたい」

堂々とチームの顔になるべく、目標に防御率1・50以下を掲げた。達成すれば球団では1970年(昭45)村山実の0・98以来55年ぶり。ミスタータイガースの達成から半世紀以上、虎投が破っていない大きな壁だ。「なかなか難しい数字ではあるかもしれないけど、高い目標を目指してやっていけたら」。先発で2年連続1点台達成すれば、66年の村山以来59年ぶりになる。「1点台には入っていきたい」と最低ノルマも定めた。

沢村賞にも意欲を見せた。「もちろんそこは狙いたい。狙っていけるように1年間頑張っていきたい」。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる栄冠への憧れを明かした。「イニングを投げて、しっかりゼロに抑えて、というところができたら、自然と勝ちはつく」。阪神投手が受賞すれば20勝を挙げて優勝に貢献した03年の井川慶以来。才木もV奪回に力を尽くし、歴史の扉をこじ開ける意気込みだ。

防御率1・50以下&沢村賞獲得へ、夏場の失速もなくす。昨季は6月の交流戦終了時点で8勝1敗、防御率1・20とほぼ無双状態。岡田前監督に前半戦のMVPに選ばれた。だが夏場に調子を落とし、特に8月は防御率4・13と崩れた。「チーム状況的にも、夏場で先発が頑張れるかは大事。(そこに)ピークを持ってこられたら」。夏場の不調も影響してチームはあと1歩でV逸し、個人タイトル獲得もならなかった。改めて「(タイトルは)全部取るつもり」と宣言。この男が年間無双を決めれば、藤川阪神がぐっと優勝に近づく。【塚本光】

○…阪神藤川監督が才木の貪欲な姿勢を買った。タイトル総なめを口にしていることに「いいじゃないですか。何個もタイトルがあっていいなと思いますし。出てくる打者を全部抑えたら手に入るんですよ」と笑顔。「彼はまだ道中だから。満足していないから面白いんです」と真価発揮に期待した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】才木浩人「まだ球団の顔と言われるほど、活躍はしていない」虎のエースを担う覚悟