新加入会見を行ったゲリア(撮影・小林忠)

アルビレックス新潟が23日、本拠地のデンカSでDFジェイソン・カトー・ゲリア(31)の加入内定会見を行った。右サイドバック(SB)、センターバック(CB)の位置で高い身体能力とスピードを発揮するオーストラリア代表は、昨季、59失点と崩壊した守備再構築のキーマンになる。24日から宮崎キャンプに合流。J2ジェフ千葉時代以来5季ぶり、自身2度目のJ舞台で輝く準備を進める。

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守備立て直しのカギとなる、新たな「越後の壁」が、真夏のオーストラリアからやって来た。ゲリアは会見前日の22日、真冬の新潟に到着。「とっても寒いね」と笑ったが、「DFラインの構築、強固な守備で貢献することが重要なポイント。さまざまなシチュエーションに対し、私の経験を生かして手助けしたい」と、熱く、頼もしい言葉を並べた。

オーストラリア代表として26年W杯のアジア最終予選に臨んでいる。右SBとCBでプレー可能で「身体能力とインテリジェンスが武器」と特長をアピールする。力任せではなく、状況に応じた適切なプレーを選択をして相手を封じ込める。18年~20年は千葉に在籍。「あの時より成熟した自分」を自身初のJ1で示す。

新潟はパスを回して前進する魅力あるサッカーを展開する一方で、昨季は59失点と守備が崩壊。残留争いに巻き込まれた。得点を多く奪っても大量失点すれば勝ち点を逃し、上位は狙えない。「私が守備で目立つことはチームがいい状況といえない時。大きな成功をつかむためには私が目立たないことが重要」。自陣で守備を固めて耐える時間を長くするより、リスク管理を徹底しながらハイラインを形成し、相手をゴールから遠ざけるイメージを膨らませる。

新潟は歴代、外国人CBが「越後の壁」として守備を統率してきた。初代は99年~02年に在籍したブラジル出身のセルジオ。2代目は22年~昨季まで在籍した同郷のトーマス・デン(J1横浜)。「トミー(デン)からチームや街のポジティブな印象を聞いている。アジア最高のリーグで力を発揮したい」。第3代越後の壁としてディフェンスをまとめ、いい攻撃につなげる。【小林忠】

◆ジェイソン・カトー・ゲリア 1993年5月10日生まれ、オーストラリア出身。メルボルン・ビクトリーFC(オーストラリア)-J2千葉-パース・グローリーFC(オーストラリア)-メルボルン・ビクトリーFC-新潟。U-20からオーストラリア代表。183センチ、78キロ。背番号2。

◆「越後の壁」 新潟に99~02年に在籍したセルジオはJ2通算155試合(新潟では127試合)に出場し、12得点。副主将を務めたこともある屈強なブラジル人CBで、サポーターが「セルジオ 越後の壁」という、しゃれっ気ある横断幕も掲げた。トーマス・デンは22年から3年間在籍。昨季は公式戦33試合出場。22年W杯カタール大会オーストラリア代表。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【新潟】新たな“越後の壁”豪州代表DFゲリア「強固な守備で貢献したい」