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日本高野連は23日、大阪市内で第7回理事会を開催し、硬式、軟式を含む各公式戦において、「投手の投球制限(1週間500球以内)」を正式に高校野球特別規則とすることを発表した。

高校野球では20年から2024年までの試行期間として「1週間500球以内」の投球制限と肩・肘の予防に関するデータの検証を重ねていた。同期間での検証結果を日本高校野球連盟医科学委員会委員長の正富隆氏を座長とした「投球制限検証ワーキンググループ(WG)」から報告を受け、正式に導入することとなった。

同WGではA群(過去20年の甲子園大会準々決勝、準決勝後の検診データ)とB群(22年夏の甲子園~24年センバツまでの4大会の全試合検診データ)をもとに解析。大会前検診での肩肘の痛み「あり」「なし」などで区分して検証を重ねた結果、累積投球数が増加するほど痛み発生リスクが高まる傾向が示された。

WGによるデータ検証の結論として「投手の『1週間500球以内』という投球制限ルールは、肩肘痛の発生を抑制している可能性があり、肩肘障害予防の観点から合理性を欠くものではない」と判断され、「1週間500球以内」のルールが今後も継続されることが決まった。

正富委員長は「1週間500球以内だったら大丈夫なんだっていう結論ではないってことです。球数制限があるから大丈夫って指導者も保護者も思いがちなんですけど、それより少ない球数で故障してる選手がいっぱいいる。フォームだったり、そういうところを指導者は見てあげてほしいですね」と投げかけた。

WGの検証結果を受け、06年夏の甲子園で早実(西東京)のエースとして1大会で948球を投じた元日本ハムの斎藤佑樹氏(36)は「まずは1週間500球という投球数制限の理解を深めることができ、納得感も得られました。自分自身の高校時代の経験も踏まえ、今後の障害予防のさらなる普及には、選手ごとに体の柔軟性や疲労度が異なるなかでパーソナライズされた取り組みも必要だと感じました。投球数の制限だけではけがを完全に防止することはできません。別のルール改正なども検討していただき、高校年代の障害予防への取り組みがもっと広がることで、小中学生のけがの予防にもいい影響を与えることを切に願っています」とコメントした。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 「1週間500球以内」投球制限のルールが高校野球特別規則に正式導入決定 日本高野連が発表