イチロー氏のMLB殿堂入りの報道を受け取材に応じる父・鈴木宣之さん(撮影・森本幸一)

マリナーズなどでメジャー通算3089本安打を放ったイチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の日本人初の米国野球殿堂入りに同氏の父、鈴木宣之さん(82)が22日、愛知県豊山町の自宅前で会見した。史上2人目の満票での選出を逃したが、引退後5年目での有資格初年度での選出。「有資格初年度に日米同時に成就できたのはイチローファンの皆様方、関係者の方々にご支援、ご声援をいただいたおかげ。本当に御礼申し上げたい。ありがとうございました」と、息子が手にした栄誉を手放しで喜んだ。

主な一問一答は以下の通り。

-息子さんが日本の殿堂入りに続いてアメリカで評価されたことについて教えてください

日本の殿堂入り、思えばなんか私はルールがわかんないんだけど、本当は10年実働っていう記録はありますか(米殿堂は実働10年でNPBは条件なし)。私はそれをわかんないので、それを9年でイチローは殿堂入れさせていただいてるんですよね。非常にありがたいですよね。そういうルールがあったら特別じゃないですか、これ。ありがたいことだと思ってます。

-米国で評価されたことは

やっぱり日本と同じように、それはアメリカであったことでしょう。これはもう感謝の念しかありません。一生懸命やったその結果だと思いますので、皆さんに評価していただいたんだなという思いです。

-日本人初の快挙

頑張った価値がそこに出てきたかなと。好きなことで。私は非常に意固地なとこがあって、こうと決めたらまっすぐそこに進みたいんです。直線に1つのことを思って。これを貫くという、そういう精神でイチローを育てたつもりなんです。私をそのような学校へ入れてくれた両親に感謝してます。そういう気持ちになるような教育を受けさせてくれた私の両親が。そういうことで親に感謝してますね。その気持ちというのは、1つのことにもってずっと職種に突き進む姿は、コツコツと積み上げていけば、必ず自分で納得する人生ができるよ、人生を送れるよという教育なんですね。だから、その1つのことを成就することによって、世間の方は必ず認めてくれる時が来るよと。そういう教育なんです。だから、イチローが中学の時に自分自身で決心したんですね。行く道を。まだまだ未熟だけど、1つ1つ積み上げていけば目的、目標は遠くだけど毎日、毎日が目的、目標なんですね。コツコツやるのが目的なんです。その積み重ねが大きな出来事にになるという、そういう教育でございます。

-イチローと連絡は

(彼も)大変忙しいので何も。最近は。51歳ですから、いいおっさんになっておりますから。そんなおっさんが親にそんな連絡なんかおそらく来ないでしょう。年を取ると、私82歳ですけど、子供の子はいつまでも心配で、これは親心です。

-どういう言葉をかけたい

かける言葉というか、心中、親としたら良かったなと、一言ですね。

-イチローには今後どういう活躍を望むか

きょう(豊山町)役場で町長のコメントが出ました。「世界を魅了してきた偉業の数々は、これからも語り継がれることと思います。今後もさまざまな形で世界を舞台にご活躍されることを心から祈念いたします」。ということですので、町長の言葉を借りて、これから活躍するということをぜひやってもらいたいんですね。オリックスに入団したときに(イチローとともに)小谷実可子さんにインタビューを受けた時のイチローに渡した1枚の色紙があった。「品格ある野球人」と(したため)渡した覚えがある。これからのことということで、品格ある野球人をプロ野球入った時のスタートで渡した。それから30何年たって、その気持ちをずっと持ち続けて、指導者としての正々堂々とした態度で品格ある野球人を築き上げてもらいたい。親としてはそういう気持ちです。

-米国殿堂はどういう評価で選出されたと思う

私の口からは。(記者)皆さんの評価ですからはい。皆さんによく思っていただいたんでしょうね。はい、それだけだと思います。中には反対の方も見えますので。

-メジャーで活躍していたときはどう応援していたか

絶対にケガをするなよ。その一心でしたね。健康に気を付けて、けがしないように。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 米殿堂入りに父・鈴木宣之さん「まっすぐ貫く精神でイチローを育てたつもり」/一問一答 2