アジア人で初めての米国野球殿堂入りし、記者会見するイチロー氏(AP)

<とっておきメモ>

2025年の米国野球殿堂表彰が21日(日本時間22日)、米ニューヨーク州クーパーズタウンで発表され、メジャー19年間で通算3089安打を放ったイチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、資格1年目にして選出された。

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現役時代のイチロー氏は普段は口を開くことが少なかったが、大きな節目には時間をかけて思いを語り、必ず印象的な言葉を残した。日米通算4000安打を達成したときもそうだった。

13年8月21日、当時ヤンキースだったイチロー氏はブルージェイズ戦の1回、左前打で大台に到達した。午後10時ころに試合が終わって開かれた会見は1時間以上も続き、気付けば0時を回っていた。印象に残った言葉はいくつかあるが、個人的にはウイットに富み周囲をクスッとさせる言葉が好きで「みなさんが注目してくださっている中で内野安打とかだとまた文句を言う人もいるし、まあよかったと思います」というひと言が記憶に残っている。22年8月27日のマリナーズ球団殿堂入りの際には、前日会見で英語のスピーチをすることを聞かれ「2回目の胃潰瘍になるかもしれない」と、09年WBC後に胃潰瘍になり離脱した自身の経験をネタにしていた。

米メディアでもイチロー氏の言葉は常に注目されている。ニューヨーク・タイムズ紙のスコット・ミラー記者も以前に「イチローの話は、たとえ通訳を介していても深みがあって面白い」と話していた。殿堂入りした今、これからも折に触れ、イチロー氏の言葉を世に伝える機会があることを願っている。【MLB担当=水次祥子】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【とっておきメモ】イチロー氏の言葉「たとえ通訳を介していても深みがあって面白い」米も注目