【日本ハム】1位柴田獅子のスイング「翔平っぽくない?」稲葉2軍監督 「慣らし」で大器片りん
「慣らし」のスイングで大器の片りん見せた。日本ハムドラフト1位の柴田獅子投手(18=福岡大大濠)が17日、千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレでバットを握った。ティー打撃とハーフ打撃を合わせて約20スイング。感触を確かめることを目的に、心地よく打球音を響かせた。初めて柴田の打撃を目にした稲葉篤紀2軍監督(52)は、チームのOBで世界一の選手の名を挙げ大絶賛した。
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柴田の姿がドジャース大谷翔平投手(30)に重なった。稲葉2軍監督はドラ1ルーキーへの所感を求められると「なんかちょっと雰囲気が翔平っぽくない? スイングの軌道というか、柔らかさもあるし。翔平もそうだけど、逆方向にも飛ばせそうじゃないですか」と、心の底から褒めちぎった。投打で期待される逸材は、まずは2軍での育成が濃厚。一目で感じた大物感に言葉も弾んだ。
当の柴田にとって大谷は「劇薬」のような存在。筋力が異なるためすべての技術を参考にしているわけではないが、YouTubeで本塁打集を見てから打撃練習に入る時がある。「見てる方も気持ちいいので、(動画を)見るとテンションが上がる。『あんな感じかな』と思って振ったら意外と打てたりする」と、独特な感性で自身のプレーにリンクさせている。バットはフィーリングで選び、重さや長さは不明。天才的な能力に加えて「1球1球タイミングをずらしながら。(ポイントが)1カ所だけだと崩された時に対応できない」と、練習では意図を持ってスイングを重ねる。
投手として最速149キロ、内外野も守れる高校通算19本塁打の柴田は、定番となった「二刀流」というワードに縛られない。稲葉2軍監督はニヤリとしながら「ショートをやりながらピッチャーの可能性もある。柴田くんにしかできないことをやれば、新しい道になる。新しいものができたらいいんじゃないですか」。大谷翔平とはまた違う形で、柴田獅子が野球界の常識を覆す。【黒須亮】