24年7月、西東京大会の富士森戦で笑顔を見せる桐朋・森井翔太郎

米球界挑戦を表明していた桐朋(東京)の森井翔太郎内野手(3年)が、アスレチックスとマイナー契約を結ぶことが、14日までに分かった。契約金は150万ドル(約2億3300万円)。最速153キロの右腕で高校通算45本塁打を数える左の強打者を巡っては、米9球団による争奪戦となっていた。超高校級の逸材は高校卒業後、即渡米し、大リーガーへの道を駆け上がる。(金額は推定)

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1日でも早く、大リーガーの夢をかなえる。世代屈指のポテンシャルで注目された森井が“夢の実現”のため選んだのは、古豪アスレチックスだった。この日までに、マイナー契約を結ぶことを決めた。

偏差値70の進学校に在籍しながら、投げては最速153キロ、打っては高校通算45本塁打。183センチ、89キロのガッシリとした体格を誇る逸材だ。昨年7月の西東京大会初戦には、日米14球団42人のスカウトや編成関係者が大集結。「肩の強さ、走っている姿から身体能力の高さを感じる」「(中日などで活躍し日米通算2450安打の)福留さんの力強さ、柔らかさがダブる」など、ドラフト上位候補としてスカウトたちが絶賛した。

打撃では圧倒的な飛距離を誇る。フリー打撃では、木製バットでも同校グラウンドの右翼約87メートル、高さ約10メートルのネットを悠々と超える打球を連発。ネット後方の木々に直撃することも日常茶飯事だった。

夏の時点では進路を「米挑戦、NPB、米大学」で迷っていたが、昨年9月に人生で初めて渡米したことで、高校卒業後の米球界挑戦へ気持ちが固まった。「ここを自分は目指していて、最終目標でもある」と夢を再確認し、NPB12球団にドラフト会議での指名を見送るよう意思表明の文書を送付していた。

25歳未満のため、メジャー球団とはマイナー契約しか結べない。「はい上がっていきたい」と覚悟はできている。最終目標の「メジャーで活躍すること」をいち早くかなえるために、18歳で海を渡る。

◆森井翔太郎(もりい・しょうたろう)2006年(平18)12月15日生まれ、東京都出身。小学校から桐朋に在籍。1年時に住吉ビクトリーで野球を始め、2年から武蔵府中リトル。6年で西武ライオンズジュニア、中学は練馬北シニアに在籍後、同中野球部。高校では1年夏から三塁手で出場。3年夏は西東京大会初戦で敗退した。ポジションは投手、遊撃手。好きなメジャーリーガーはレッズ・デラクルス。183センチ、89キロ。右投げ左打ち。

◆桐朋 1941年(昭16)創立の私立校で中高一貫の男子校。生徒数は951人。野球部は1946年(昭21)創部で甲子園出場はなし。部員数32人。偏差値70で、東大や京大など全国の国公立大、有名私大へ高い進学実績を誇る。OBに俳優の西島秀俊、絵本作家の五味太郎氏ら。所在地は東京都国立市中3の1の10。原口大助校長。

◆アスレチックス フィラデルフィアを本拠地として1901年のア・リーグ創設から参加。55年からカンザスシティー、68年からオークランドに移った。28年からラスベガスへ移転予定で、今季から3年間はサクラメントを本拠地とする。ワールドシリーズ優勝9度はヤンキース、カージナルスに次ぐ3位タイ。OBにレジー・ジャクソン、リッキー・ヘンダーソンら。日本人は藪恵壹、松井秀喜、藤浪晋太郎らが在籍した。1Aはストックトン、上級1Aはランシング、2Aはミッドランド、3Aはラスベガスが本拠地。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 桐朋・森井翔太郎が推定150万ドルでアスレチックスとマイナー契約 9球団争奪戦超高校級の逸材