広島ジュニア対ソフトバンクジュニア準決勝 2番手でマウンドに上がった馬原(撮影・佐瀬百合子)

<NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP:ソフトバンクジュニア1-1広島ジュニア>◇準決勝◇28日◇神宮

元ソフトバンク守護神でプロ通算182セーブの馬原孝浩氏(43)の長男、ソフトバンクジュニアの拓海投手(6年)が堂々の神宮デビューを飾った。準決勝の広島ジュニア戦の6回2死、2番手で登板。父の現役時代と同じ背番号14を背負い、1/3回を無安打無失点に抑えた。試合は延長8回タイブレークでも決着がつかず、抽選の結果、ソフトバンクジュニアが決勝進出。29日、日本ハムジュニアとの決勝戦に臨む。

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大会3日目。ようやく、その時が来た。同点の6回2死。先発富安が球数制限の70球に達すると、馬原が2番手で名前を告げられた。待ってましたとばかりにマウンドへ。「ずっと準備はしていた」。連日ブルペンで肩をつくり続け、ついに回ってきた出番。初登板の緊張もあってかいきなり四球を許したが、続く広島ジュニアの4番を二ゴロに仕留めて無失点で抑えた。

一塁側応援席の最前列では、父孝浩氏が祈るように見守っていた。「ドキドキしかなかった。見てる方はしんどいですね」とほっとした表情。現役時代は守護神として剛腕をふるい、現在は柔道整復師、鍼灸(しんきゅう)師の資格を持ち、福岡市内で整骨院を3店舗も構えるなどアスリートのサポートに励む。この日は父として、ソフトバンクのマスコットキャラクター「ハニー」の被りものをつけ、全力で声を出して盛り上げた。

親子二人三脚で、神宮のマウンドまでたどりついた。息子にはあえて野球を勧めてこなかったが、友人の影響で小4の夏から野球を始めた。昨年まで九州アジアリーグの火の国サラマンダーズの監督を務めていたため、じっくりと練習に付き合う時間はなかった。監督引退以降は、チームの練習終わりに自宅で指導。シャドーピッチングから基礎をたたき込んだ。

最速100キロ前後だった球速も半年で119キロまで伸びた馬原は「強い球が投げられるので」と、父の背中を追うかのように抑えに意欲を示す。父の話題になると少ほおを緩ませ「仕事とか休んで来てくれたりする」と照れながら感謝した。仲間と、父と、優勝を取りに行く。【佐瀬百合子】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 馬原孝浩氏の長男拓海が堂々の神宮デビュー 1/3回無安打無失点/NPBジュニアトーナメント