阪神村上頌樹(2024年12月18日撮影)

新たな魔球誕生!? 阪神村上頌樹投手(26)が新球種の習得に着手していることが24日、分かった。これまで変化球はカット系かカーブなど遅い球種に偏っていたが、その中間の球速帯である球種を身につけようと模索中だ。年明けの投げ始めから本格的に試投していく計画。動く直球「真っスラ」の使い手として知られる右腕が、さらに投球の幅を広げて勝ち星を積み重ねる。

    ◇    ◇    ◇

吐いた息が白くなり、少し外にいるだけで手がかじかむような冷たい風が吹きつける。シーズン中フル回転した村上はオフでも入念に握りを確認しながらキャッチボールを行っていた。今季、直球やカットボールなどの速球を中心に驚異の65キロをマークした超スローカーブなども効果的に用いた。だが、寒空の鳴尾浜で頭に浮かんだのは新たな球種。その一端を明かした。

「落ちる球かもしれないし、曲がる球かもしれない。自分に合っていて、投げやすいものを選べたらいい」

言葉からするとスライダーに近い球種がイメージされる。今季はスライダーも投じていたが、割合としては限りなく低く、ほとんどが速球系のカットボールとカーブなどの遅い球で、求める球速の変化球はあまり投げていなかった。2年連続で規定投球回に到達し、防御率2・58と先発ローテーションの一角として活躍したが、7勝11敗で昨季と比べ成績を落とした。日進月歩のプロの世界。新たな武器を見つけることができれば、さらなる飛躍につながる可能性もある。

今オフは現在ポスティングシステムを利用して米挑戦を目指している青柳と3年連続で自主トレを行う予定。そこで本格的な捕手への投球等を再開する見込みだ。自分の考えだけでは決めない。「7人か9人、それぐらい来るので、そういう人たちに聞いて投げられたらいい」と目を輝かせた。

村上は動く直球「真ッスラ」の使い手として知られる。あくまでも「真ッスラ」磨きがオフのメインテーマだが、「真っすぐを磨けば変化球もよくなると思う」。新球の習得は投球の幅が広がることは間違いない。村上は自身が「やりたい」と公言している開幕投手有力候補の1人。来季も先発投手陣のけん引役として期待がかかる。開幕投手を目指し鍛錬を積み続け、セ・リーグ初のMVPと新人王の同時受賞を果たした昨季のような活躍の再現を狙う。【塚本光】

◆阪神村上の持ち球 直球(真っスラ)、カットボール、ツーシーム、カーブ、超スローカーブ、フォーク(チェンジアップ)、スライダー。直球、カットボールの割合が高く、スライダーはほとんど投じていない。

◆阪神の開幕投手候補 今季実績では13勝3敗の才木が有力だが、ほかにも実力者がそろう。2年で23勝の大竹と昨季MVPで今年は7勝11敗の村上が続き、最年長の西勇、今季8勝したビーズリーも安定感抜群だ。今季は不振だった伊藤将も本調子なら候補に挙がる。復活した高橋もいるが、左前腕に埋めたプレートの除去手術を11月に受けたため、来季開幕に間に合うか微妙とみられる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】村上頌樹、新たな魔球生み出す?「落ちる球かもしれないし曲がる球かも」来月から試投へ