【日本ハム】福谷浩司獲得は絶妙な補強、現役ドラフトで2投手流出 型破り新庄監督にもフィット
日本ハムは24日、中日からFA宣言した福谷浩司投手(33)と入団合意に達したと発表した。入団会見は年明けに行われる見通し。残留を求めた中日、獲得に名乗りを上げたヤクルトとの争奪戦だったが、22年オフの伏見、23年オフの山崎に続いて3年連続でFA選手の獲得に成功した。
絶妙な補強となった。現役ドラフトではソフトバンクから捕手登録の吉田を獲得した一方で、1巡目で田中瑛が巨人へ移籍。さらに史上初の2巡目で鈴木が広島へ移籍が決まって2投手が流出した。また、復帰オファーを出した元日本ハムの上沢もソフトバンクへ入団が決定。さまざまな状況が重なって急浮上した補強ポイントを埋める存在が、FA戦線の最後の1人となっていた福谷だった。
先発、中継ぎ、抑えと全て経験がある右腕は型破りな新庄監督の野球にもフィットできる素養があり、若手が多い投手陣にも好影響を与えることも必至だ。福谷も自身のSNSで「新しい環境でもチャレンジし続けたい」と決意表明。9年ぶりのリーグ優勝と日本一を目指す日本ハムに、頼りになる戦力が加わる。【木下大輔】
◆日本ハムの来季開幕ローテ争い 今季の最多勝、最高勝率の2冠に輝いた伊藤と山崎、加藤貴の10勝左腕コンビによる3本柱は盤石。今季7勝の金村、侍ジャパンにも選出された同5勝の北山に加えて新戦力の台湾MVP右腕・古林睿煬も有力候補。来季去就が未定のバーヘイゲンもいる。
◆福谷浩司(ふくたに・こうじ)1991年(平3)1月9日生まれ、愛知県知多市出身。横須賀ではエースで4番。AO入試で慶大理工学部に進学し、学部の優秀者に与えられる「藤原賞」も受賞した秀才は1年秋デビュー。3年春に最優秀防御率。4年冬に学会で発表した卒業論文のテーマは「投球動作における球の出所の見づらさの定量化」だった。12年ドラフト1位で中日入団。14年は勝ちパターンの一角を担い、リーグ最多の72試合に登板。19年から先発もこなし、20年に自己最多の8勝。今季推定年俸2000万円。183センチ、93キロ。右投げ右打ち。