中日福谷浩司(2024年撮影)

ファイターズファンにクリスマスプレゼントが届いた。中日からFA宣言した福谷浩司投手(33)が24日、自身のSNSで日本ハム入りを表明した。通算278試合登板の経験豊富な右腕は、新天地となる北の大地でさらなる成長を誓った。この日、球団も入団合意に達したと発表し、入団会見は年明けに行われる予定。9年ぶりのリーグ優勝と日本一を目指す来季は、頼りになる新戦力が加わる。

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吉報はクリスマスイブの早朝に、新戦力から発信された。福谷は午前7時39分に自身のX(旧ツイッター)やインスラグラムでFA権を行使した結果を報告する文章を投稿した。

「私、福谷浩司は考え抜いた結果、北海道日本ハムファイターズに移籍することを決めました」

日本ハムとは20日に名古屋市内で入団交渉を行った。提示された条件面は今季推定年俸2000万円からの増額に出来高を付けた複数年契約とみられ、同日にはヤクルトとも交渉。すでに残留交渉を終えていた中日も含め、悩み抜いて決めた新天地は北海道。自身が抱く大志も決め手だった。

「今回のFA行使を通して、他の球団の考えを初めて聞く機会となりました。この場を借りて声がけをくれた球団には感謝致します。生まれ育った愛知の地を離れること、野球選手として育ての親であるドラゴンズを離れることを考えると本当につらいです。ですが、いつか地域やチームの垣根をこえて野球界に貢献したいという強い思いのもと、野球選手としての経験を増やし、もっと成長し、高みを目指すことを目標に、移籍を決断しました。新しい環境でもチャレンジし続けたいと思います」

今オフは11月下旬に渡米してトレーニングを行い、そのままプエルトリコへ移動してウインターリーグに参加。プロ13年目へ向けて海外でレベルアップを図り、12月中旬に帰国して、新たな野球人生を北海道で開拓することを決めた。

日本ハムには中日時代の同僚でバッテリーも組んでいた母校慶大の後輩の郡司やマルティネス、さらには後輩右腕の山本拓もいる。3選手が示した名古屋→北海道のステップアップ系譜も受け継ぎ、悲願の日本一へ導くために大航海のクルーに加わる。【木下大輔】

◆日本ハムの来季開幕ローテ争い 今季の最多勝、最高勝率の2冠に輝いた伊藤と山崎、加藤貴の10勝左腕コンビによる3本柱は盤石。今季7勝の金村、侍ジャパンにも選出された同5勝の北山に加えて新戦力の台湾MVP右腕・古林睿煬も有力候補。来季去就が未定のバーヘイゲンもいる。

◆福谷浩司(ふくたに・こうじ)1991年(平3)1月9日生まれ、愛知県知多市出身。横須賀ではエースで4番。AO入試で慶大理工学部に進学し、学部の優秀者に与えられる「藤原賞」も受賞した秀才は1年秋デビュー。3年春に最優秀防御率。4年冬に学会で発表した卒業論文のテーマは「投球動作における球の出所の見づらさの定量化」だった。12年ドラフト1位で中日入団。14年は勝ちパターンの一角を担い、リーグ最多の72試合に登板。19年から先発もこなし、20年に自己最多の8勝。今季推定年俸2000万円。183センチ、93キロ。右投げ右打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】福谷浩司が入団表明「高み目指す」郡司らステップアップ系譜受け継ぎ、悲願日本一へ