ガッツポーズする久慈ナイン(撮影・木村有優)

来春行われる第97回選抜高校野球大会(25年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠地区候補9校が13日、日本高野連から発表された。東北地区からは久慈(岩手)が選出。来年1月24日の選考委員会で同枠でのセンバツ出場2校が決定する。同校は今秋、岩手3位校として2年連続2度目の東北大会に出場し、1勝を挙げた。部員34人のうち、大半が地元出身者。宇部智也主将(2年)を筆頭に「地元愛」にあふれたナインらが吉報を待つ。

   ◇   ◇   ◇

「じぇじぇじぇ」旋風を巻き起こす。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地として有名な久慈市。東北地区選出の久慈ナインは、「あまちゃん」フィーバーに沸いた11年前の再現を目指す。

放送当時「多分保育園か小学1年生だった」というエース宇部奨人投手(2年)は、放送が開始する午前8時になると、決まってテレビの前にいたという。「あまちゃん」のヒロイン天野アキは、高2で東京から岩手へ転居したことが運命を大きく変えた。高2に成長した宇部奨も、夢の甲子園へ1歩近づいた。思い描くのは、甲子園に響き渡る「あまちゃん」のオープニングテーマ。もちろん、久慈のチャンステーマだ。「全国の舞台で吹奏楽部の応援をとどろかせたい」と、本家として聖地で披露するつもりだ。

今秋、宇部奨を中心に守り勝つ野球で、創部以来初の東北大会1勝を挙げた。岩手大会では強豪の専大北上を破り3位、東北大会では今春センバツ出場の学法石川(福島)に勝利した。遠征先から久慈に帰るたび、思うことがある。「やっぱりここがすごく落ち着くな」。地元愛は人一倍。「地域のみなさんに勇気や元気を与えたい」。市民の思いも背負い、1月の吉報を信じて待つ。【木村有優】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【センバツ】甲子園で「あまちゃん」を…21世紀枠候補の久慈・宇部智也主将「勇気や元気与える」