ウエルカムパーティーであいさつをする阿部監督(撮影・為田聡史)

【ホノルル(米ハワイ州)11日(日本時間12日)=為田聡史】巨人阿部慎之助監督(45)が、来季は05年以来20年ぶりに主将制度を廃止することを決めた。優勝旅行でのウエルカムパーティーの冒頭で登壇し、サプライズ発表した。就任1年目の今季は「新風」をチームスローガンに掲げ、4年ぶりのリーグ優勝を飾った。リーグ連覇、13年ぶりの日本一を狙う、来季も変化を恐れず新風を吹かせる。

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心地よい南国の風を感じながらマイクを握った。阿部監督は選手、スタッフら家族を含めて約250人の“仲間”を前に熱っぽく語りかけた。「来季からキャプテン制を廃止します」とサプライズ発表。「やっぱりプロだし、全員がキャプテンと思ってやってほしいと思って、俺はキャプテン制を廃止した。みんな納得してほしい」と説明し、理解を求めた。

直近では23年から2年間、岡本和が務めた。岡本和は坂本から、坂本は14年の優勝旅行で現役時代の阿部監督から主将の大役を引き継いだ。球団史をさかのぼれば水原茂、沢村栄治、川上哲治、長嶋茂雄、王貞治らレジェンド20人が主将を歴任してきた。一方で、プロ入り前は誰もが中心選手として当たり前のようにチームを引っ張ってきた。阿部監督は「選手の中で(今までのアマチュア時代に)主将経験ある人、手を上げてみて。結構いるんだよ」と壇上から見渡した。

選手の約半数が挙手した。だから今回は“単独指名”はしなかった。「選手全員がキャプテンになったつもりでやれば素晴らしいチームになる。背中で引っ張る、いろんな目配りをする、自分の結果だけじゃなくチームの結果も背負う。そう思って全員がやったらとてつもないチームになると思う」とチーム全員を主将に指名した。

重責を全うした岡本和も指揮官の意図をくみ取った。「みんながそういうつもりでやっているでしょうけれど、そうなれば余計に自覚してやると思うのでいいと思います。(スローガンに)新風を掲げていたので、阿部さんが監督になって新しい部分かなと思います」と同調。阿部監督が信念を込め、リーグ連覇への新風に乗る。

◆巨人の歴代主将 今季の岡本和まで20人で、水原、沢村、川上、長嶋、王などそうそうたる顔触れが名を連ねる。最近では坂本が15~22年まで、阿部と並ぶ最長の8年務めた。不在の期間もあり、8年ぶりに復活した06年には小久保が生え抜き以外では初めて就任している。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【巨人】阿部監督「やっぱりプロだし、全員がキャプテン」優勝旅行で主将制度廃止を発表