西武育成4位の星槎道都大・佐藤(右)は、水沢スカウトに帽子をかぶせてもらい笑顔(撮影・中島洋尚)

西武の育成4位星槎道都大・佐藤爽投手(21)が17日、札幌市内のホテルで仮契約を結んだ。支度金は350万円、年俸は400万円(金額は推定)。最速148キロ左腕は「父親が何かほしいものがある時に、買ってあげられるような選手になりたい」と、男手一つで育ててくれた父恵介さん(48)への恩返しを誓った。

小2で野球を始めたころ、試合でヒットが打てず「面白くない」と、泣きながら自宅に帰ったことがあった。翌朝から毎朝5時に起床。柔道の心得はあっても野球経験は少年野球しかない父に、公園で2時間もトスを投げてもらった。「そこからバッティングが好きになって…」。約5年も続いた日課が、10年後のプロ契約につながった。

札幌山の手時代は昼の弁当も含めて3食すべて父の手料理。大学時代も朝晩に父の作る回鍋肉などが、スタミナ源になった。西武に指名されたことを報告すると父は「おめでとう。でも1番ほめてほしいのは俺だけどね」と笑ったという。

自動車販売店でのアルバイトは12月中旬まで、体幹トレーニングは来年1月の新人合同自主トレ前まで続け、プロの世界に飛び込む。「『継続する』という言葉は、ずっと言われてきました。父に言われていなかったら、三日坊主だったと思う」。これからも父の金言を守り、まずは支配下登録を目指す。【中島洋尚】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【西武】育成4位の佐藤爽が仮契約 男手一つで育ててくれた父へ「何か買ってあげられる選手に」