【高校サッカー】正智深谷が8年ぶり4度目の全国切符、1点差を勝ちきる粘りの守備で埼玉頂点に
<全国高校サッカー選手権埼玉県大会:正智深谷1-0浦和学院>◇決勝◇17日◇埼玉スタジアム
正智深谷が、初出場を狙う浦和学院を1-0で下し、8大会ぶり4度目の全国切符を手にした。これで全国48代表校すべてが出そろった。
決勝トーナメント3回戦からすべて1点差の試合をものにしてきた正智深谷の勝負強さが、決勝の大舞台でも出た。前半18分、最初のチャンスで左コーナーキックを獲得すると、ニアで混戦になったところ、センターバックのDF佐藤飛友(3年)が、こぼれ球を右足で振り抜いた。ボールは相手DFに当たり、方向を変えゴールに吸い込まれた。
佐藤は前回大会の準々決勝で聖望学園に惜敗した悔しさを思い出していた。1-1での延長後半、ラスト1プレーでセットプレーに沈み涙をのんだ。精神的にも大打撃を受け、サッカーが嫌になるぐらい落ち込んだ。それでも「このままではダメになる。3年生になって自分がチームを引っ張る」。大きな決意を胸にこの1年、励んできた。
1-0のヒリヒリした展開で、最後は浦和学院のコーナーキックが続いた。佐藤は「正直、去年の場面がよぎりました。でも、去年のことがあったので、ピッチ内で、みんなでめちゃくちゃ、集中する声を掛け合っていた。みんな同じ声かけが出来ていたので、今日はやられないと。絶対に勝てると臨んでいた」。
4年前、正智深谷が夏の全国総体に出場し、全国へのあこがれを抱いて入部した部員が、最上級生の最後の年に、全国切符をつかみ取った。佐藤は「自分は主将じゃないですけど、主将のような気持ちでチームを引っ張っていこうと思っていたし、みんな1人1人が、主将のような気持ちで練習に取り組んでくれていた。この3年間の努力が形になった」と笑みをこぼした。【岩田千代巳】