【プレミア12】“神奈川のMAKI”逆転2点打「気持ちで打った!」台湾でも人気「スラムダンク」
<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン6-3韓国>◇15日◇台北ドーム
【台北15日=栗田尚樹】侍ジャパンがアジアに誇る“神奈川の牧”がポイントゲッターになった。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」1次ラウンド韓国戦(台北ドーム)で、牧秀悟内野手(26)が1点を追う5回2死満塁の絶好機に逆転2点適時打を放った。初戦を終えて名古屋から移動した台湾では、大人気アニメ「SLAM DUNK」の影響で「MAKI」の名がすでに席巻。後を追うように現れた侍の牧が、バットで注目を集めた。チームは無傷の2連勝を収め、これで国際大会21連勝。16日に台湾との無敗対決に挑む
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やっぱり、神奈川の牧は要チェックや! 1点を追う5回2死一、二塁。栗原の死球でつながった2死満塁の好機だった。漫画「スラムダンク」の牧同様にチームで主将を務める牧の気合も高まった。韓国4番手右腕・李映河との“1ON1”。カウント1-1からの3球目だった。外寄り低めのスライダーに踊らされることなく、中前へはじき返した。価値ある逆転2点適時打。「2アウトからのチャンスで何とか打つことができてよかったです。気持ちで打ちました!」。仲間が体を張ってアシストした場面に、黙っているはずがなかった。
豪快なスラムダンクとはいかなくとも、漫画の世界のパワフルな牧を台湾の地で現実に体現した。3点リードの7回2死走者なし。今度は左翼フェンス直撃の二塁打をぶっかまし、あとわずかで、柵越えという軌道を描いた。一塁を駆け回ると、二塁上でタッチを仕掛けた韓国の二塁手を吹き飛ばす体幹の強さもうり二つだった。
台湾で恐れられる牧が、16日の台湾戦を前にプレッシャーをかけた。この試合を“視察”に訪れていた台湾メディアの自由時報のジェリー記者、Yahoo台湾の陳記者に、試合前練習の段階で「一番怖い選手は?」を尋ねると「MAKI」の名を即答。一番有名な選手には清宮を挙げたが、牧が怖いというには理由があった。ジェリー記者は「台湾ではスラムダンクがすごく人気があります」とうなずいた。
主人公・桜木花道擁する湘北のライバル校で、神奈川NO・1プレーヤーと称される海南大付属の牧紳一の名が連想される訳だ。くしくも侍の牧も、神奈川のチーム。両記者は牧が昨年のWBCのメンバーで、DeNAが今季日本一に輝いたことまでもチェック済み。「勝負強い」と話していたが、帝王と描かれる牧の警戒度は増すばかりだ。【栗田尚樹】