大谷翔平「関節唇損傷手術」完全復活に6ヶ月、投球に影響及ぼすことはない/山崎哲也医師が解説
ドジャース大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)、ロサンゼルス市内の病院で左肩の手術を行った。球団が公表した。
関節唇(かんせつしん)の損傷を修復する関節鏡視下手術で、過去に右肘の手術を執刀してきたエラトロシュ医師が行った。来年2月の春キャンプには間に合う見込みだという。
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◆横浜南共済病院・山崎哲也スポーツ整形外科部長の話
大谷投手は脱臼が初めてなのかどうか。2回目以上なら「癖になっている」と手術が選択肢に挙がる。初回でも痛みが残ったり、今後、反復性になるかもしれないので予防的な手術を行うケースもある。初めてなら、体への負担が少なく回復までが早い「関節鏡視下手術」が可能という点も考慮されたのでしょう。
一般的に「亜脱臼は脱臼より軽い」と思いがちですが、間違いです。亜脱臼というのは自然に関節が入った状態で、脱臼は他人に整復されたものです。どちらも瞬間的に関節が外れた状態です。MRI検査で上腕骨頭を収め、肩関節を安定させる関節唇が傷ついている「バンカート病変」と診断されたのでしょう。
私の経験では、肩の関節唇損傷手術は制限なくスポーツ活動に復帰するまでは4カ月、パフォーマンスが完全に戻るまでは6カ月かかります。投球側(右投げの大谷は右腕)だと、完全復帰に1年かかるケースもあります。
今回の手術は投球側とは反対の左肩なので、復帰を目指している投手としては、手術が投球に影響を及ぼすことはないでしょう。野球で亜脱臼が多いケースは、ダイビングキャッチとヘッドスライディング、右手で行う「けん制」での帰塁などです。キャンプインはしても、野手としての走塁、投手としての守備には制限をかけていくことになるでしょう。