引退あいさつをするオイシックス稲葉

今季限りで現役を退くオイシックス稲葉大樹内野手兼野手コーチ(40)が5日、引退あいさつに臨んだ。

BCリーグ発足時の07年に、社会人の横浜ベイブルースから前身BC新潟に入団。今季参入したイースタン・リーグも含めて、18年間で通算966安打を放った。

引退の決め手として、来季から巨人1軍作戦戦略コーチに就く橋上秀樹前監督(59)の存在が大きかった。「『俺がいる間は現役でやればいいんじゃない』と言ってくださって。来年から巨人に行くことも分かって、いろいろな話をした。これまで現役のときは愛情を持って接してくれた。その2人の空間をちょっと思い出して…」と2人で写真撮影に臨んだ際には、こらえていた涙があふれた。

師弟関係を超えた存在でもあった。大学4年の冬に、父寛一さんが他界した。そんな中、5年目の11年に安田学園高の先輩でもある橋上監督と出会った。「僕のことを真剣に怒ってくれる人ってなかなかいなくて。でも橋上さんはたくさん怒ってくれた。『お前がやんないんでどうするんだ』って」。その年にはBCリーグで首位打者に輝いた。

「僕の中の親父って言ったら大げさかもしれないけど、それぐらい本当に感謝しているし、それが1番の思い出かもしれない」。

今後は「18年間携わっていただいた全ての方々に感謝しかない。その思いを込めて恩返しがしたい」と球団に携わっていく予定。「(橋上)監督のスピリットというか、魂を受け継いで。また1歩1歩、階段を歩んでいきたい」。新潟の“レジェンド”として突っ走った18年間の現役生活に、終止符を打った。【大島享也】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【オイシックス】“レジェンド”稲葉大樹が引退あいさつ「僕の中の親父」橋上前監督に感謝