ソフトバンク対DeNA 6回裏ソフトバンク1死、近藤は中前安打を放つ(撮影・梅根麻紀)

<日本シリーズ:ソフトバンク1-4DeNA>◇第3戦◇29日◇みずほペイペイドーム

頼れる背番号3が帰ってきた! ソフトバンク近藤健介外野手(31)が「SMBC日本シリーズ2024」第3戦で「5番DH」で初スタメン即、一時同点の適時二塁打を放った。1点を追う1回2死一、三塁の第1打席でDeNA東から左翼へ。DHのなかった敵地横浜では、負傷した右足首に配慮して代打待機だったが、マルチ安打も決めて完全復活をアピールした。日本シリーズ連勝記録は14でストップしたが、首位打者の復帰は頼もしい限り。きょうこそ日本一へ王手をかけ、31日に福岡で舞う。

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手負いの右足首をものともせず、近藤は勢いよく一塁を蹴った。自軍のベンチに向かって、二塁ベース上で何度も右のこぶしを突き上げた。

1点を追う1回2死一、三塁の場面。今回の日本シリーズで初めて響く「5番近藤」の場内アナウンスに、タカ党のボルテージが一気に上がる。フルカウントからの6球目。東の真ん中134キロチェンジアップを仕留め、左へ流し打ち。すぐさま試合を振り出しに戻してみせた。「打席の中での対応は良かったかなと。追い込まれてからいい集中力を出せたと思います」。今季は一、三塁の場面で打率5割(14打数7安打)だった男が、短期決戦でも勝負強さを発揮。しかも第1打席で決めるのだから、これ以上頼れる男はいない。

9月終盤に右足首を捻挫して戦線離脱。V記念日は松葉づえ姿だった。懸命のリハビリでCSファイナルステージに間に合わせたが、日本シリーズは負担を考慮し、DHのなかった敵地横浜は第1戦、第2戦と代打待機が続いた。出番は1打席で、結果は申告敬遠。この日が実質、初打席だった。「打つ方はまったく問題はない」。6回にはチームメートが苦戦した東から中前打をマーク。シリーズ初黒星の試合で気を吐いた。

日本ハムからFA移籍2年目の今季は打率3割1分4厘、19本塁打、72打点。自身初の首位打者のほか、出塁率4割3分9厘で2年連続の最高出塁率のタイトルを獲得した。ハイアベレージを残せる要因に「スイングを仕掛けていくことですね」と言う。四球数92個はリーグで断トツだが、初球から積極的にスイング。振ることで投手のタイミングにアジャストさせ、安打や粘っての四球につなげている。

DeNAを4本上回る10安打を放つもあと1本が出ず、日本シリーズで無双を続けてきた連勝記録は「14」でストップ。本拠地での連勝も「16」で止まった。「出ている以上はチームの勝ちに貢献できるようにと考えている。本数よりは、いいところで1本」。地元福岡での日本一実現へ-。仕切り直してきょうこそ王手をかけ、31日に歓喜を分かち合う。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】近藤健介、復帰即同点打 シリーズ連勝14でストップも4年ぶり日本一へ鷹に光