球団から指名あいさつを受けた阪神ドラフト5位・佐野(撮影・柏原誠)

虎の鉄人襲名だ! 阪神にドラフト5位指名された日本海L・富山の佐野大陽内野手(22)が29日、富山県高岡市内で指名あいさつを受け「遊撃で勝負したい」と決意を新たにした。

目標は阪神OB鳥谷敬氏(43=日刊スポーツ評論家)。富山入りの際も同じ背番号1を選んだ。佐野にとって特別な球団だ。遊撃手として667試合連続フルイニング出場の日本記録を持つ「鉄人」の背中を追う。

「鳥谷さんは何試合も連続で出場されている。タフな体をこれから身につけて、打撃も守備もチームを代表する選手になれるように、鳥谷さんみたいになれるように頑張ります」

鉄人遊撃手へのストーリーは、生誕直後から始まっていた? 名前は太陽ではなく大陽(たいよう)。両親が顔を見て「この子の名前は太陽」と直感。しかし「字画的に、病気になるとかだったようで…。『大』の方が大成すると言われたらしい。僕はそこがすごく気に入っています」。その通り、手術経験や大きなケガはなく、病欠も記憶にないという頑強な体で夢をかなえた。「5歳で中耳炎になったくらいですかね」と両親に感謝した。

走攻守バランスがよく、元プロの吉岡雄二監督は「派手さより実戦的」と評した。中部大時代からマークしてきた筒井スカウトは「ハートを評価しています。練習やしぐさを見ていると、かなり秘めたものがある。僕の担当だと中野(拓夢)と少し似ていて『やったります』みたいな感じが重なります」と期待した。

阪神の湯浅、松原らプロ輩出の同チームだが、野手が支配下でドラフト指名されたのは初めて。独立リーグ出身が「内野」でレギュラー獲得した例は数えるほどだ。「佐野でもこうなれる、独立出身でもこうなれるという姿を早く見せていきたい」と、どこまでも力強かった。【柏原誠】

◆佐野大陽(さの・たいよう)2002年(平14)2月14日生まれ、静岡県出身。6歳で野球を始め、富士宮リトルイースト、富士宮第一中。常葉大橘では甲子園出場なし。中部大4年時に全日本大学選手権に出場。卒業した今春から日本海L・富山。50メートル走5秒9、遠投110メートル。参考にする選手はマリナーズのフリオ・ロドリゲス。178センチ、81キロ。右投げ右打ち。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】ドラ5佐野大陽、鉄人襲名だ 点1つで運命分かれた?「太」ではなく「大」の理由とは