DeNA対ソフトバンク 勝利を飾り喜ぶソフトバンクのモイネロ(中央)ら選手たち(撮影・滝沢徹郎)

<日本シリーズ:DeNA3-6ソフトバンク>◇第2戦◇27日◇横浜

ハマスタの「モイネロ劇場」で勝ったば~い! ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が日本シリーズ初先発で“三刀流”を披露した。7回途中3失点でのシリーズ初勝利に加え、打ってはまさかのスイッチヒッターも披露。敵地横浜を大いに沸かせた。

右で、送った。2-0の2回1死一塁。右腕大貫に対し、右打席に立って犠打を成功させた。登録は左打ちだが「バントは右の方が自信があったんだ」。一塁線に完璧なゴロ。きっちり走者を進めた。

左で、打った。5-0の3回2死三塁。右腕佐々木に対して本職の左打席に立った。3球目ストレートを強振。左飛に終わったが、浅くはない飛球にスタンドがどよめいた。「打撃はいい結果が出なかったけど、投げる方でなんとかできたのでよかったね」。陽気な左腕は上機嫌だった。

登場シーンまで異例だった。初回。左翼ポール付近からリリーフカーに乗って登場した。本来、先発投手は自軍ベンチから登場するはず。珍しい光景の真意は「ギリギリまでブルペンで投げていたので時間がなくなって車に乗ったんだ」。初の大舞台。直前まで調子を整えて試合を作った。

運もある。5回1死で森敬に投手強襲安打を浴びた。幸いにもベルト直撃だった。「ベルトが守ってくれたんだ」。内野安打を含めて4連打を献上しながら2失点。1死一、三塁では牧を遊ゴロ併殺打に仕留めた。「大事なプレーだったね」。相手に流れを渡さなかった。

先発転向1年目。アマ時代から信頼する母国キューバのコーチから練習メニューのアドバイスを受け続けてきた。ホークスの首脳陣にも相談しながら独自の調整法を築いた。とにかく走る。登板翌日もジョギングではない。チームメートは「本当によく走る。独自の調整法ですよ」と口をそろえる。皆が認める努力家。投げて、送って、打って、ツキもあった。モイネロが頂上決戦を楽しんだ。【只松憲】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】先発転向モイネロ、首脳陣に相談しながら築いた「本当によく走る」独自の調整法