ノックを受ける佐藤輝を笑顔で見る藤川監督。右は上本コーチ(撮影・加藤哉)

テルよ「アニキ」になれ! 阪神藤川球児監督(44)が佐藤輝明内野手(25)に「荒々しさ」を求めた。27日の甲子園での秋季練習後に取材対応。現役時代の金本知憲氏や岡田彰布前監督が背中で引っ張ってきた姿こそ、手本にすべき姿と力を込めた。プロに「行儀よく」はみじんも必要ない。藤川体制では心身ともにたくましく、チームを引っ張ってほしいと大きな期待を寄せた。

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藤川監督はじっと佐藤輝の特守を見つめていた。22日の秋季練習初日のミーティングで「テル、姿勢を見せていこう」と名指しで伝えてから5日。求める具体的な「姿勢」を明かした。

「姿勢は『姿』に『勢い』と書いて姿勢。『背筋よく』『行儀よく』は、アスリートにとっての姿勢ではないと思う。見る人が勢いあるな、前向きだなという姿。行儀よくなんて全く思わない」

普段はマイペースで構わない。イジられキャラでも愛されキャラでもOK。ただ、いったんグラウンドに出れば切り替えてほしい。「日本シリーズでもMLBのワールドシリーズでもそうですけど、ガッと前に出た時にスイッチが入るような選手ですね」。佐藤輝に、オンとオフの切り替えが一番大切と力を込めた。

「グラウンドでは荒々しく、勢いがあればいい」と言葉は熱を帯びた。「(現役時代の)金本さんとか桧山さんとか矢野さんもそう。岡田監督もそうだった。リーダーとして引っ張ってくださったので」。背番号8に求めるものは、猛虎で一時代を築いたレジェンドたちが、背中でチームを引っ張ってきた姿。それを兼ね備えれば「キャリアを通して力強くトップアスリートとして生きていける」と約束した。

佐藤輝も表情を引き締めて誓った。「周りにも影響してくると思いますし、次はもう5年目なので、そういう姿勢を見せていけるように頑張ります」。この日もフリー打撃から三塁での特守までみっちりとこなした。徹底的に鍛え上げる秋。技術だけでなく、虎のリーダーとしての心も強くする。【中野椋】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】藤川球児監督が佐藤輝明に「金本化」指令 行儀よくは必要ない「荒々しさ、勢いあれば」