DeNA対ソフトバンク お立ち台でインタビューを終えた小久保監督はファンに向かって手を振る(撮影・梅根麻紀)

<日本シリーズ:DeNA3-5ソフトバンク>◇第1戦◇26日◇横浜

ソフトバンクが接戦を制し、日本シリーズの連勝記録を継続した。先発の有原航平投手(32)が投打に躍動した。0-0の2回2死満塁で打席に立つと、一、二塁間を破る2点先制右前打。自ら援護点を挙げ、これが決勝点となった。投げても7回4安打無失点。DeNAの強力打線を封じ込め、今季パ・リーグ最多勝の実力を見せつけた。これでソフトバンクは日本シリーズ13連勝。18年10月30日の広島戦から続く記録で、19年、20年はともに巨人から4勝0敗のスイープを決めている。球団12度目となる日本一に向け、まずは敵地で大きな1勝を手にした。

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最終回に守護神オスナが3失点。最大5点差から2点差に詰め寄られたが、小久保ホークスが何とか逃げ切った。小久保監督は日本シリーズ初采配で初勝利。敵地での初戦を白星で飾った。「4勝つんだという話を選手たちにしてるので。とりあえずあと3つ勝ちます」。余韻もほどほど。すぐに手綱を締めた。

チーム一丸で勝利をつかんだ。右足首の捻挫から復帰したばかりの近藤健介外野手(31)は、守備負担を考慮してベンチスタート。今季のパ・リーグ首位打者を温存する形になったが、12球団最強打線は動じず、9安打5得点を奪った。試合開始の30分前には指揮官が最後の訓示。「2024年型ホークスは日本一を達成して完結する」。小久保監督はナインの闘志に火をつけていた。

近藤の定位置5番に座った栗原が、2回1死から四球をもぎとる。2死で牧原大が左翼線二塁打を放ち、8番甲斐は申告敬遠で歩いた。2死満塁で、投手有原が先制の右前に2点適時打。勝負を決めたのは有原だが、野手陣がしっかりお膳立て。栗原はレギュラーシーズンを含めても今季初の5番だった。代打待機になった近藤の無念を背負い、決勝打を起点になった。

「落ち着いているか? 全然大丈夫。だって俺は打席立たへんし」。試合前は冷静だった小久保監督だが、練習が始まると、ナインや関係者全員と固い握手。3月29日のレギュラーシーズン開幕戦、16日のCSファイナルステージ初戦に続く節目の儀式を行った。「真剣勝負の1週間。最後の舞台なんでね」。

2-0の9回1死一、二塁では2年ぶりに3番起用された今宮が右翼越えに2点適時二塁打。栗原もタイムリーで続いた。近藤を代打で温存しながらDeNAに先勝。右足首の完治をナインが後押しした。日本シリーズは破竹の13連勝も小久保監督は「いや、3つ負けられるのが日本シリーズなので。あまりそこは気にせず。1戦1戦やっていきます」と冷静。パ・リーグ王者が横浜の夜空の下、貫禄を見せた。【只松憲】

▼ソフトバンクが日本シリーズで18年第3戦から通算13連勝。シリーズ最多連勝記録を更新した(2位は西武、巨人、ロッテの各8連勝)。

▼ソフトバンクが白星スタート。過去74度のシリーズで先勝チーム(△→○を含む)は46度優勝しており、V確率62%。敵地で先勝は31度のうち23度Vで確率74%となる。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】完勝一転9回ヒヤリもシリーズ初采配で初勝利「とりあえずあと3つ」小久保監督