日南学園対育徳館 育徳館ナインは日南学園にサヨナラ勝利し、歓喜しながらベンチを飛び出す(撮影・岩下翔太)

<高校野球秋季九州大会:育徳館2-1日南学園>◇1回戦◇26日◇大分・別大興産スタジアム

創部126年目で小倉小笠原藩の藩校を源流とする公立校、育徳館が来春センバツに王手だ。9回に主将の4番隅田勇輝捕手(2年)がサヨナラ打を放ち、春夏通算14度の甲子園出場を誇る日南学園を下した。投げてはエース右腕、島汰唯也投手(2年)が9回を8安打1失点と好投。今夏甲子園4強の神村学園は初戦敗退で4季連続甲子園出場が絶望的となった。エナジックスポーツ、柳ケ浦、壱岐も初戦突破した。

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福岡準優勝の実力は本物だった。1-1で迎えた9回1死一、二塁だった。主将の4番隅田勇輝捕手(2年)が決めた。カット系の変化球を打って中前打。一塁に向かう途中、右手でガッツポーズも飛び出す値千金打となった。

「自分が決めるというよりもつないでつないでどうにかして1点を取って勝とうと思っていました」という必死さで、ベンチを飛び出したナインらとジャンプして抱き合い、優勝したかのような歓喜の輪で喜んだ。8回に先制しながら9回同点ソロで追いつかれたが、集中力は私学強豪を上回っていた。

エース島が勝利を呼び込んだ。強打相手に「今日は結構調子は良かった。あまり力をいれずに打たせて取る、守備が守ってくれるので打たせていこうと思いました」と立ち向かい、有効だったカーブで翻弄(ほんろう)。「最高ですね。この舞台で勝つことができて」と笑みを見せた。

井生広大監督(33)は「スキルは多分(九州大会出場の)16校の中で一番下だと思っているので、成長率とか後はもう泥臭くいくというか、がむしゃらにいくことだけは負けるなと伝えています」。謙虚さと、ひたむきさで、九州大会でも旋風を起こす。【菊川光一】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 実力は本物!創部126年福岡2位育徳館が日南学園破り九州大会初優勝 隅田勇輝主将が泥臭くV打