25日の練習で投球練習する日本ハム玉井

腰痛にも苦しみ今季1軍登板なしに終わった日本ハム玉井大翔投手(32)が、横手投げに挑戦している。エスコンフィールドで行われている秋季練習では、25日に退団が発表された建山義紀前投手コーチ(48)の勧めで、スリークオーターやサイドから投げるなど最適なフォーム探しを行っている。勝負の9年目へ、“建山流スクラップ・アンド・ビルド”で復権を目指す。

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玉井は今秋、右腕をいろいろな角度で振っている。これまでの上手投げから少し腕の位置を下げたスリークオーターや、横から投げるサイドスローなど。「今後の選択肢に含めながら、いろいろ試してみようっていう感じですね」。きっかけは25日まで秋季練習に参加していた建山前投手コーチから「自分が一番気持ちよく腕が振れるところを1回探してみたら?」と提案されたことだった。

腰痛に悩まされ、プロ8年目で初の1軍登板なしに終わった玉井は今季が32歳シーズンだった。建山前コーチも現役時代、32歳になる07年に7試合登板に終わり、「33歳で腕の位置を変えたらキャリアハイ(58試合登板)が出た」という。

横手投げとしてNPB通算27セーブ、84ホールド、メジャーでも53試合に登板した建山前コーチの言葉に、玉井も納得して取り組みを開始した。スリークオーターではボールが指にしっかり掛かり、打者にとっても嫌な角度がつけられるなどの発見もあった。「やっぱそれ(腰痛)で良くなかった部分もあった。いい腕の位置があれば」と試行錯誤を繰り返している。

建山前コーチからは「この秋はちょっとフォームを崩してもいいから、思い切ったことをやってみよう。ダメだったら戻せばいい」と背中を押された。昨季まで通算328試合登板の実績を積み上げたベースがあるからこそできる、破壊と創造の秋。前コーチの“置き土産”を受け取った玉井は「やっぱり開幕から1軍に」と復活を目指す25年へ向けて、新たな自分を発見する。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】玉井大翔「いい腕の位置があれば」建山前コーチの“置き土産”で横手投げに挑戦