ナインらと記念撮影をする神戸弘陵の村上泰斗(中央)(撮影・石井愛子)

<プロ野球ドラフト会議>◇24日

また関西から逸材! 「プロ野球ドラフト会議supported by リポミタンD」が24日に都内で開催され、ソフトバンクは神戸弘陵(兵庫)の最速153キロ右腕、村上泰斗投手(3年)を1位指名した。明大・宗山塁内野手(4年=広陵)、福岡大大濠・柴田獅子投手(3年)が抽選の結果で交渉権獲得ならず。それでも昨年のドラフト1位前田悠伍投手(19)と将来左右エースを担えるポテンシャルは十分。2年連続で近畿地区の高校生投手が福岡にやって来る。

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村上が笑った…。かと思いきや涙した。ソフトバンクの1位指名に最初は喜んだが、すぐに思いがあふれた。

「名前を呼んでいただいてうれしい気持ち。そこから自分のしんどかった時期を思い出して。やってきてよかったなと思って、気持ちが涙という形になりました」

甲子園出場はなし。何度も悔しい思いをしてきた。2年半でたくましくなった17歳が、涙をぬぐい大量のフラッシュの前で堂々と言葉をつむいだ。

パ・リーグ王者。巨大戦力に殴り込みをかける覚悟だ。「今年優勝して圧倒的だった。偉大な選手がそろっているので不安はありますけど、それをくっていけるような選手になりたい」。目標は「奪三振王、そして沢村賞」。1年目は体づくりに重点を置き、そこから飛躍するイメージはできている。

昨年ドラフト1位の前田悠も今季終盤に1軍デビューした。いずれはともに関西出身の「前田・村上コンビ」で左右のエースへ。「そうなっていくのが自分の理想です」ときっぱり。高校までは捕手。神戸弘陵入学後に投手に転向し球速は約20キロ速くなった。阪神藤川監督の現役時のような「火の玉ストレート」が理想。変化球も「試合では7種類くらい。もう2つほど練習しています」と多彩。伸びしろはどこまでもある。

会見中、近くでは村上家が喜びを分かち合っていた。父高広さん(51)、母美樹さん(48)、長男雄斗さん(26)、長女舞桜さん(まお、24)、次男彗斗さん(けいと、22)、三男涼斗さん(21)。雄斗さんの妻佐季さん(26)と泰斗のおいっ子にあたる1歳の煌己くん(こうき)も。父高広さんが「5人仲が良いのが親としてはうれしい」という兄、姉に見守られ5人きょうだいの末っ子が夢をかなえた。【中野椋】

○…ソフトバンクは支配下6選手、育成13選手で合計19選手を指名した。支配下は大卒、高卒3人ずつで投手と野手も3人ずつ。バランスのとれたドラフトとなり、永井智浩編成育成本部長兼スカウト部長(49)は「6位まで指名するほどたくさんのリストではなかったけど、我々の評価した選手が残っていて指名することができた。いいドラフトだったと思います」と総括した。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ドラフト】ソフトバンク1位神戸弘陵・村上泰斗は5人きょうだい末っ子、家族全員で見守り歓喜