ドラフト1位で福岡大大濠・柴田の交渉権を獲得し、ガッツポーズする日本ハム新庄監督(撮影・鈴木みどり)

<プロ野球ドラフト会議>◇24日

福岡大大濠・柴田獅子投手の交渉権を引き当てた日本ハム新庄剛志監督(52)が「くじ引き役」を務めた裏話を明かした。

球団は最初、明大・宗山に1位入札。5球団が競合し、くじ引きは小村球団社長が務めた。「(今年6月に)くも膜下出血になって、左手が動かない状態に追い込まれたけど、今ではしっかり動くようになった“その左手”にちょっと賭けてみて、『社長、お願いします。ちょっと“その左手”を貸してください』っていうところで、小村さんに行ってもらいました」。

結果的には先に当たりくじは引かれてしまっていた。次に入札したのが福岡大大濠・柴田。ソフトバンクと競合になり、新庄監督が自らくじを引きに行った。「(小村球団社長が当たりくじを)引いて倒れられても…と、めちゃくちゃ心配してたんで『もう俺、行こう』と思って」。今夏、母校の西日本短大付が福岡大会決勝で戦った相手が福岡大大濠。その試合をチェックしていた指揮官は柴田の「バットの軌道が大谷選手にそっくり」と一目ぼれ。「(競合なら)僕がくじ引くぞって」と決めていたこともあり、再入札が「柴田君って聞いて、2秒後ですね。それまでは(2度目のくじ引き役も)社長でしたから」と立候補。「『行かしてください』って言ったら(球団幹部らは)きょとーんとされましたけど(笑い)。『あんた(昨年は外したくじ引きは)行かん言うてたやん』って(笑い)。いや、行く行くって。柴田君行くって」と志願して、くじ引き役を務めた。

見事に交渉権を引き当てた新庄監督。やや、中身が取り出しづらかったようで、手間取った。その間にソフトバンク小久保監督が先に中身を確認して落胆していたこともあり「(小久保監督の)声は聞こえました。『んあぁ』…って」。ある程度の確信はありながらも、当たりを確認した時は「うれしかったですね」。運命を感じた「ポスト大谷」となりうる魅惑の大器とつながった縁に笑顔を見せた。

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【日本ハム】新庄監督が明かしたくじ引きの裏側「声は聞こえました。『んあぁ』…って」