G大阪対名古屋 後半、決勝ゴールを決め歓喜のポーズを見せるG大阪福田(撮影・前岡正明)

<明治安田J1:G大阪3-2名古屋>◇23日◇第35節◇パナスタ

ガンバ大阪がMF福田湧矢(25)の決勝ゴールで名古屋グランパスに競り勝ち、ホーム連勝を飾った。

2-2の後半29分に途中出場した福田は、直後にFW宇佐美貴史(32)とのワンツーからカットインシュートを放つなど果敢に左サイドで仕掛けた。その勢いのまま同33分、宇佐美が「細心の注意を払って、繊細に出した」というパスを、左45度からダイレクトシュート。右足でニアサイドを抜き、パナスタに歓喜をもたらした。主将からの優しいパスでのゴールに福田は「愛情しか感じなかったです。キャップ(宇佐美)からのアシストで自分が決めて勝てるっていうのは、もう最高の1日です」と充実した表情で話した。

今年1月に左腓骨(ひこつ)筋腱(けん)障害の手術を受けてから離脱が続き、8月24日のアビスパ福岡戦で昨年10月以来の出場を果たした。その復帰から5戦目で歓喜の瞬間を迎えた背番号14は「それを目指してリハビリをずっと頑張ってきた。1年近く苦しい思いをしていて、今日初めてサッカー人生で報われたなっていう気がする」。苦しみを乗り越えた先にあった喜びを振り返った。

福田の復活には、事あるごとに声をかけてきたダニエル・ポヤトス監督(46)も特別な感情を抱いた。「彼のゴールを見た時に感情が爆発した。本当に日頃の彼は明るいし、その明るさはチームにポジティブなものを与えてくれる。でも心の中は苦しんでいるんだろうなといつも思っていた。だからこそ自分は彼を信じ抜いたし、もっとチームに貢献できるんだよ、もっといけるんだよ、と彼に信頼をそっと置きたい。勝って彼が活躍してくれたことに対して、すごくうれしく思っている」。明るさの裏にある感情もくみ取って接してきた指揮官は、期待に応えた25歳の活躍を手放しで喜んだ。

「とにかく今日の試合で結果を残せて良かった」と話した福田だが、直後には「でも切り替えます」と前を向いた。次に目指すのは、横浜F・マリノスと戦う27日の天皇杯準決勝(パナスタ)での勝利。ヒーローインタビューで「勝ってみんなで国立行きましょう!」と呼びかけた男は、タイトル獲得を引き寄せるゴールをつかむため走り続ける。【永田淳】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【G大阪】名古屋に競り勝ちホーム連勝 復帰後初得点の福田湧矢「初めてサッカー人生で報われた」