新潟対東京V 指揮を執る東京V城福監督(撮影・大島享也)

<明治安田J1:新潟0-2東京V>◇第35節◇23日◇デンカS

東京ヴェルディがアウェーでアルビレックス新潟を2-0と下した。2連勝で勝ち点を54に伸ばし、暫定6位に浮上した。

終盤戦にかけてヴェルディの勢いが止まらない。前節は浦和レッズに2-1と逆転勝ちを収め、この日はYBCルヴァンカップで決勝進出を果たしている新潟に2-0と快勝。今季序盤は不安定でなかなか勝ち星がつかなかった。前半戦19試合終了時点での勝ち点は27(1試合平均勝ち点1・42)だったが、後半戦ここまで16試合で27(同1・68)を積み上げている。

城福浩監督は試合後の会見で、若いチームをどう成長させてきたか、この日J1初ゴールを決めたFW山田剛綺を引き合いにし、その一端について語っている。

「全員がピッチに立つために死力を尽くすという意味では、メンバーから外れた選手が全力を尽くすのが生命線なんですね。山田剛綺もそういう時期を何週間も過ごしたことがありましたが、それでも立っていられないぐらいの練習をしても、ここに来られない選手がいるんですよ。そういう選手の思いを彼は背負ってやったはずですし、それが彼のところにボールが転がってきたのは良かったと思いますし、今日、東京で映像で見ている選手の励みになったと思います」

指揮官が強調するのは、「前の試合よりも強いチームになっていく歩み」を、ブレずに毎試合やり続けることがポイントだという。そこに絡んでいきたいと強い思いを持った選手たちがいて、高いレベルの競争をして、そのサイクルがうまく回っていけば結果がついてくるのだと説く。

「繰り返しますけど、自分たちが何かを勝ち取ったとか、自分に何か指定席があると感じた時点で、このチームは前評判通りの結果になる。既に高いレベルの競争の中で日々やり切った選手がピッチに立っていくと。これをやり通せているのは選手の高いモチベーションのおかげかなと思います」

国内トップレベルの選手をかき集めるのでなく、出番が失われ、再起をかけて集まってきたメンバーを鍛え上げてのこの順位。Jリーグ日本人最年長となる63歳指揮官には、計り知れないほどの経験値がある。【佐藤隆志】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【東京V】城福監督が語る躍進の裏側「メンバーから外れた選手が全力を尽くすのが生命線」